【 課税逃れ 特許移転にも網 】
9月1日付けの日経一面に、同上のタイトルで「 G20及びOECD(経済協力開発機構)が事務レベルでの節税防止策の大枠を固めた 」旨の記事が掲載されました。既にG20会議が開かれたトルコで大枠は確認され、来月に全容公表となるようです。
今回の取り組みは、以下の4つの柱から構築されていると言われており、これを機により一層、経済列強国である米国、欧州、中国、そして日本の協力体制が強化される事になりそうです。
①タックスヘイブンを使った節税
ペーパーカンパニーなどを設立し、その会社に特許権を移動させる事で本国の所得減らしを行うと言う仕組みにメスを入れ、今後は事業実態があるかどうかを大前提としたルールを徹底する。
②課税を巡る対立の解消
往々にして長期化する国と企業の2重課税問題に対するルールを整備し(最短として)2年程度で訴訟案件を解決出来るようにする事により、企業が捻出する裁判費用の負担を軽減してその分を他の国際的な投資に充当させる。
③稼いでいる国での適切な課税
想定事例としてアマゾン・ドット・コムなどが該当すると思われるネット販売業者への対抗策の明確化。「収益を挙げた国・地域での適切な課税」を定義する事でこうした(配送拠点を各国に持っていながらして)その国の法人税を納めない企業に対する課税強化。
④透明性の強化
企業に節税策を指南する立場である税理士などに対し、今後は税務当局に指南内容の報告義務を課す。
記事では上記のような課税包囲網の強化により、地域的に今回その枠組みに入っていない東南アジアやアフリカなどの国々を経由したタックスヘイブンの活用が活性化する可能性があるかも知れないと結んでおります。
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