【 東京ホテル事情 ~東京のホテルは満室状態? 】
折からの円安効果と言うべきなのか、昨今では海外から日本に観光に来る外国人の数が非常に多くなってきています。最近ではTVや新聞などで、東京のビジネスホテルを中心にして、宿泊予約が非常にとりにくくなっているとの報道もあるほどですが、実際の統計上はどうでしょうか?
日本の国土交通省観光局が発表した外国人延べ宿泊者数の統計を見ますと、今年の1月から3月の期間に於ける外国人の延べ宿泊者数は12,759,500人であり、昨年の1月から3月の9,195,810人から実に38.8%の増加となっているとのことです。
このような中、東京圏のホテル・旅館の稼働率が急増しています。
東京都、神奈川、千葉のリゾートホテル、ビジネスホテル、シティホテルの稼働率は、今年3月時点で9割弱まで上昇しており、ホテルの稼働率が90%程度ですとほぼ満室の状態となり、ほとんど空室がないこととなります。
従来、こうした現象と言うのは受験シーズンや大規模な観光行事などがない限りあり得ず、そうした点ではビジネスホテルの予約などは比較的容易だった訳ですが、今年に入ってからは上述の状況などの為、様相が一変してしまいました。
さらに、東京都に限りますと旅館の稼働率も昨年の36.8%から70.6%まで急増しており、現在は旅館も予約がとりにくくなっている状況との事。
こうした状況を打開する為には物理的に(ホテル数を増やせば良い)との考えに至りますが、大震災の復興事業や東京オリンピック関係などの工事の影響から、建物の建築単価そのものが約5割増しになっていると言う事実と、都内の土地価格が上昇傾向にある事などから、ホテル業者もホテルの新築については消極的なようです。
このために東京のホテルの予約は、今後とも難しい状況が続くのではないかと思われます。
観光やビジネスを目的として東京に来られる方々は、今後より一層の時間的な余裕をもった上でホテルの予約されることをお勧めします。
関連記事
-
-
【日本の税制調査会の動向(1)】
『税制調査会』とは日本の内閣府の審議会等の一つです。内閣総理大臣の諮問に応じて、 …
-
-
海外における経営現地化の難しさ
海外展開を行う企業にとっては昔も今も恒常的課題として横たわるのは海外現地化への舵 …
-
-
家族帯同か否か?海外駐在に於ける会社方針について
海外駐在員を送り出す際に会社側として考えることの中の1つと言うのは、駐在者が仮に …
-
-
ご相談事例 (繊維系貿易会社のケース)
弊社には日々、沢山の問い合わせが香港内、中国、そして日本などからやって参ります。 …
-
-
【コーヒーブレイク】海外進出企業が陥る「罠」 〜何故、日本企業は成功出来ないのか?
世界がコロナ禍の状況に陥ってから早2年近くに経過しますが、日本のような島国であっ …
-
-
ビジネスシーンとして見た香港の現状
8月12日、香港国際空港にはエアポート埋め尽くさんばかりの人垣が集まり、例の「逃 …
-
-
独断と偏見で選ぶ、香港の『2019年10大ニュース』-1
1年の終わりになると必ず取り扱われるテーマの中に「◯◯◯◯年の10大ニュース」と …
-
-
タックスヘイブン対策税制上、唯一例外とされる”統括会社”とは?
香港は税率が法人税、個人所得税共に20%以下であると言う事実もありますので、&# …
-
-
【中国から撤退をするには?】
中国事業からの撤退方法は幾つかに大きく分ける事が出来ます。 先ずは『清算』、『譲 …
-
-
香港に集まる資本=何故、香港上場なのか?
ファンディング(=資金調達)を行う市場としてアジアで名高いところと言うのはわが国 …