香港法人従業員の産休取得について
香港の雇用条例によりますと、産休を取得するには、下記の条件を満たしていることが必要です。
【産休取得の条件】
・産休開始までに連続性のある雇用契約の下、40週以上勤務していること。
・雇用主に対し、妊娠の事実と産休取得の通知を与えていること。
このような通知には、医師発行の妊娠証明書の提出なども含まれる。
・雇用主に求められた場合、医師発行の診断書の提出と出産予定日を通知すること。
上記の条件を満たしていない場合、従業員は有給の産休を取得することができません。
(但し、社員様との雇用契約で別途規定がある場合がある場合は除きます)
雇用条例に定める産休手当の金額(日額)については、「産休開始初日前12ヶ月の平均給与日割り額の五分の四」で求められます。
産休時のみならず、産前検査や産後の治療もしくは流産により欠勤した場合には、病気休暇扱いとなり、病気休暇手当の支払いが発生するため、注意が必要です。
病気休暇手当の計算方法につきましては、雇用契約に特に定めがない場合には、雇用条例に基づき、「休暇当日前12ヶ月の平均給与日割り額の五分の四」となります。
産休の期間につきましては、雇用条例で下記のように定められています。
【産休の期間】
・連続10週間
・予定日よりも実際の分娩日が遅かった場合には、予定日の翌日から実際の分娩日までの間、追加の産休期間をもらえる
・妊娠もしくは分娩により病気になった、もしくは勤務出来ない状態となった場合には、最長で4週間、産休を延期できる
よって、従業員の産後の状態によっては産休を延長せざるを得ないこともあります。
産休の開始時期にについては、雇用条例で次のように定められています。
【産休の開始時期】
・雇用主の同意を得ている場合、予定日2~4週間前から取得開始することができる
・社員から特に要求がない場合、もしくは雇用主から同意を経ずとも、予定日4週間前から取得開始することができる
・産休開始前に分娩に至った場合には、分娩日を産休取得の開始日とみなす社員は分娩後7日以内に雇用主へ分娩日を通知すること
産休の付与や産休手当の支給に関しましては、香港労工処の下記ホームページからも参照できますので、ご参考にどうぞ。
【引用:香港雇用条例簡易指南 第六章 出産に関する保障】
http://www.labour.gov.hk/tc/public/pdf/wcp/ConciseGuide/06.pdf(中国語版)
http://www.labour.gov.hk/eng/public/wcp/ConciseGuide/06.pdf(英語版)
CCM香港では香港における現地スタッフの雇用管理についてのご相談にも対応しております。
◆お問い合わせフォームはこちら◆
http://www.ccm.com.hk/contact/index.html
関連記事
-
海外進出日系企業が抱える資金面・事業面での課題とリスク
企業の海外進出に於けるその「目的」は、つい10年ほど前まで支配的概念であった「現 …
-
コーポレートトレジャリーセンターから法人税率半額に至る香港の事情
香港は海外に対して非常に低い法人税率や所得税率を提供し、かつ様々な環境要素を整え …
-
実はメリットだらけ!?ビジネスコンサル会社を挟むことで得られる利点。
香港や中国に進出されている会社様の会計記帳や監査と言うものは往々にして直接お客様 …
-
政府機関が宣伝する香港の魅力とは?
ビジネス誘致と言う視点で政府機関の一部として公式に香港のプロモーションを行なって …
-
果たして第二の香港となれるか?大湾区プロジェクトからの展望を見る
世界の目から見ても、香港の金融機能はアジア諸国の中でも非常に洗練され、また発展さ …
-
【コーヒーブレイク】 日産を襲った衝撃、カルロス・ゴーンの逮捕劇についてー2
ゴーン容疑者の拘留はとうとう10日を過ぎました。今やこの事件は日本やフランスのみ …
-
国が違えば選ぶ傾向も違う?日本と中華圏(香港&中国)の投資について-1
昨今、日本自身が“クールジャパン”と言う動きを官民で行なって来たこと等も影響を与 …
-
香港に於ける企業買収(M&A)の事例と法規制
世界3大国際金融センターのひとつとして尚も存在し続ける香港。この香港で企業買収案 …
-
【6/17(金)・21(火)】香港法人・オフショア法人設立 個別相談会 東京銀座にて開催
CCM香港では定期的に香港法人設立、オフショア法人設立の為の個別相談会を開催して …
-
国際課税合意が香港にどのようなインパクトをもたらすのか?
香港は言わずと知れたタックスヘイブン地域です。当地はアジアで随一のシステムを装備 …
- PREV
- HSBC法人クレジットカードが切替えに
- NEXT
- 海外進出企業の共通する悩み事について