香港で解雇された場合の補償金とは?
景気動向や従業員の業務上のパフォーマンスなどを原因として、会社から解雇を言い渡されるケースがあります。
そもそも香港は離職率と言うものが高く、香港市民はより良い条件を求めて頻繁に仕事を替えるのが一般的ではありますが、こうした”会社事情”の場合は(程度の差こそあれ)、やはり大きな精神的打撃を被るようです。
さて、今回はこうした状況(”解雇”)に陥ってしまった個人の為に企業が想定していなくてはならない補償金をご案内致します。
香港には2つのタイプの補償金を会社は備えなくてはならないと会社法(Employer’s Ordinance)で定められています。その一つが解雇補償金(Severance Payment)であり、もう一つは長期服務金(Long Service Payment)と言われるものです。
その定義は以下の通り:
① 解雇補償金・・・継続的な雇用契約に基づき、24ヶ月以上その会社に雇用されている者が対象。
【解雇補償金の支払適用条件】
・余剰人員整理を理由に解雇
・一時解雇
・雇用期間が定められた雇用契約終了後に余剰人員整理を理由に解雇
② 長期服務金・・・継続的な雇用契約に基づき、5年以上雇用されていてる者が対象。
【長期服務金の支払適用条件】
・余剰人員整理以外の理由で解雇
・従業員の死亡或いは永久的に契約上の業務に不適切である場合
・雇用期間が定められた雇用契約終了後に余剰人員整理を理由の解雇
・65歳以上の従業員の辞職
尚、解雇補償金と長期服務金の両方の適用はなく、どちらか一方のみのものとなります。
気になる金額ですが、その計算方法は解雇補償金及び長期服務金ともに同じものとなり、以下の通りとなっております。
(従業員の月間総賃金X 2/3) X 勤続年数
或いは、
(22,500香港ドルX 2/3) X 勤続年数
の何れか少ない金額が適用されます。
↓ブログ村参加してます。応援よろしくお願いします!↓
関連記事
-
-
オンショア所得とオフショア所得
香港で法人設立して実際に事業を行って参りますと、”オンショア所得&# …
-
-
観光業テコ入れをスタートした香港とその懸念点
既に何度も触れている題材ではありますが、デモ運動から新型コロナウイルス感染症が流 …
-
-
地震皆無神話を誇る地=香港に起こった『異変』とは?
言わすもがな、ではありますが日本は“地震大国“として世界中にその名を知られていま …
-
-
OECDが進める『自動的情報交換制度』の動向
日本を含めた海外の国々、特に先進国間を中心として『自動的情報交換制度』(英語:C …
-
-
新分野を今後の産業の『核』とする香港、果たしてこれは成功となるか?
香港の産業の強さは日本や中国などと違って一般の方々にとっては少し歪(いびつ)に見 …
-
-
香港の「現状」と金融大手が見ている「未来」
日本のメディアなどの報道に洗脳されると実態を見誤ることは多々あります。昨年の米国 …
-
-
香港も入るタックスヘイブン地域の特性(1)
当Blogでも何度もご紹介させて頂いているお馴染みのテーマのひとつである「タック …
-
-
香港会計・税制・税金のまとめ-3
1回目で香港の会計制度、そして2回目となる前回では香港の税制概要についてご案内さ …
-
-
香港会社設立オンラインセミナー(12月9日開催)
【香港法人、BVI、セーシェル他オフショア法人設立セミナー情報】 個人でも法人で …
-
-
国際課税事例:増資引受に係る贈与の認定について
日本や海外を跨って起こる税務関連の事件は複雑です。海外税務と言う分野は国内税理士 …
- PREV
- 香港就労ビザの申請について
- NEXT
- タックスヘイブン対策税制上、唯一例外とされる"統括会社"とは?
