「一国二制度」の下、香港・広東・マカオの協定モデルとして計画が進む珠江デルタ発展計画 ~『横琴新区』(中国珠海)
香港を足掛かりとして進出を成し遂げた企業の多くは、立地的にその後ろに位置する中国・華南地区にその生産拠点を作り、安い人件費などを背景・理由として一大経済圏を作る事に成功して来ました。現在ではそのビジネス構造が『外需型』から『内需型』へと変化しつつある段階ですが、そうした大きな流れとはまた違った視点で推進されている国家プロジェクトも多々存在しているのは言うまでもありません。
その一つが珠江デルタ発展計画の中の主要プロジェクトと位置付けられている『横琴新区』発展計画(『横琴総体発展計画』)です。
横琴新区は香港からフェリーで一時間ほどの距離にある中国・珠海内にあり、この横琴総体発展計画は2009年8月にスタートしました。
今後は同地区を含めた広東省だけでなく、2015年中に竣工が予定されている香港-珠海-マカオ大橋<港珠澳大橋>などのインフラ整備が完了した暁には、他の2拠点(香港・マカオ)と一層の連携が強化されることにより、珠江デルタ(広州‐香港‐マカオ)全体として益々の発展が期待されております。
以下は『横琴総体発展計画』奨励業種:
1.ビジネスサービス関係(*)
2.レジャー・観光関係
3.科学技術・開発関係
4.ハイテク産業関係
(*)特に注目する部分はビジネスサービスに関係する税制面で、企業所得税は中国国内の通常税率である25%から10%も低い15%にまで軽減されました(但し一定条件を満たす必要あり)。これは中国が今まで推進して来た外資企業誘致を、また一歩推し進める政策と言えるでしょう。
関連記事
-
香港はコモンロー(判例法主義)?それともシビルロー(制定法主義)?
世界における法体系には大きく区分けすると英米法系のコモンロー(Common La …
-
【速報】香港の法人税率が8.25%に
2017年10月11日に行われた香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官の施政報 …
-
香港就労ビザの申請について
香港に会社を設立し、その会社の取締役として就労ビザを申請するには、香港にビジネス …
-
金融サミット開催で“失地回復“を狙う香港
香港は言わずと知れた「国際金融センター」の一つである訳ですが、中国との政治的な軋 …
-
香港と中国における債権回収について
これは日本であろうが海外であろうが一向に変わるものではないのかも知れませんが、企 …
-
【渡航不要!香港で法人口座を開設する方法】
CCM香港では日本に居ながら海外法人を設立し、日本語サポートが受けられる法人口座 …
-
海外取引先に何らかの支払いをする場合に留意すること
日本の「源泉徴収」というのは個人となるとイメージ的に“給与天引き“されているとい …
-
11月の法人設立個別相談会のお知らせ
みなさま、こんにちは。CCM香港スタッフです。 CCM香港では定期的に香港法人設 …
-
家族帯同か否か?海外駐在に於ける会社方針について
海外駐在員を送り出す際に会社側として考えることの中の1つと言うのは、駐在者が仮に …
-
【タックスヘイブン対策税制 実体基準の判定について】
香港のような軽課税地域では常に日本の税法、特にタックスヘイブン対策税制の影響下に …
- PREV
- 【 中国のビザの種類について 】
- NEXT
- 【 レンタルオフィス・スペース事件 】