【香港 – 監査報告書内の必須項目:『ビジネスレビュー』とは?】
香港で会社設立をされる会社様は会計監査を行う事が義務付けられています。これは香港の会社法で定められている事であり、そして昨年、この香港の会社法自体が新しい会社法へと変更される運びとなりました。
今回ご案内させて頂くのは、その香港新会社法に於ける第388(3)(c)条が記載している条文です。
この中では、会社は取締役報告の中にその”ビジネスレビュー”を記述することが定められています。これは法的な要件として定められており、これを遵守をしない取締役は会社法の法令に違反したこととされ、HK$150,000の罰金及び6ヶ月の禁固刑に処される可能性があります。
また、香港会社法の別表5によりますと、この『ビジネスレビュー』には以下の内容が盛り込まれる必要があると明記されております。
◆公正なビジネスレビュー;
1.会社が直面している主要リスクと将来に関する不確実性の記述
2.会計年度期末以降に発生し、現在も会社に影響を与えている重要な出来事の詳細
3.自社ビジネスにおいて将来顕在化して行くであろう何等かの兆候
4.環境に対する政策とその実績、そして会社に重大な影響を与えるであろう(環境に関する)コンプライアンスや規則の遵守についての社内討議
5.従業員、顧客、サプライヤー、その他など会社の成功に大きく寄与するであろうもの(こと)等との関係
※『ビジネスレビュー』を記述する必要性がない会社 –
1.『ビジネスレビュー』の記述義務を免除されている会社
2.法人のみが100%出資して出来上がっている子会社及びこの『ビジネスレビュー』が免除されていない民間系会社において、その株主が当該会計年度に”『ビジネスレビュー』の記述を行わなくて良い”との特別決議を通している会社
CCMではこうした需要をお持ちのお客様の為に、特別決議書作成と会社登記所への申告サービスを提供致しておりますのでご連絡お待ちしております。
↓ブログ村参加してます。応援よろしくお願いします!↓
関連記事
-
-
良いビジネスコンサルタント会社の見分け方
日本のお客様から受ける問合せの中には香港でビジネス上良い取引先の選定のコツや質の …
-
-
緩和措置はいつ?香港のコロナ対策の現状
各国は様々なコロナ対策を行ない、その効果については徐々に二極化の様相を見せ始めて …
-
-
主権は一体どちらに?香港を巡る中国と英国の解釈と立場
「物の見方」と言うものは多くのケースにおいてとても多面的になり、論議の的(マト) …
-
-
香港・海外進出時に重要な事と言うのは?
香港のみならず海外進出をされる際はマーケットリサーチを筆頭とした様々な項目を事前 …
-
-
これを知らないと大変?香港の雇用条例で気をつける点
古今東西、如何なる国やコミュニティーであってもそこには会社と(会社で働く)従業員 …
-
-
香港法人、設立の手順から運営までー1
海外に進出を行う場合、企業はそれぞれの進出目的・事業の内容を考慮して、「現地法人 …
-
-
人材“流出“ではなくなっている香港の現状
昨今、不安定な世情が盛んに喧伝されている香港の状況ですが、必ずしも全てが“厭世モ …
-
-
マイナンバー準備と今後注意しておくべき税制(2)
2018年をターゲットの年度として、今、日本を含めた世界的な税務情報交換の制度導 …
-
-
香港政府の防疫措置の延長及び一部強化の情報
2020年12月15日時点の香港・マカオへの渡航制限、防疫措置情報です。 202 …
-
-
本社が海外子会社を支援する際に気をつけること
古今東西、“海外に進出する“と言うことはやはりどの会社にとっても大きなギャンブル …
- PREV
- 【 香港の労働基準 】
- NEXT
- 【香港を撤退(香港法人を清算)する際の方法について】
