中国/ 183日ルール:そのカウントの方法
香港に販売拠点などを置き、中国国内にある生産工場で仕事をされる駐在員の方々や、応援と言う形で日本から中国に長期出張される方々は沢山いらっしゃいます。
さて、その中で、こうした方々から良く挙がる質問の中に、同国に滞在する日数に関わるものがあります。
それが所謂、この「183日ルール」です。
これは、上記のように中国国内で仕事をされる外国人に対する課税の判断基準であり、一度これに抵触してしまうと中国で税務上の義務(所得税支払)を負う事になってしまいます。但し、こうした関心の割りにはそれに対して正確に把握している方は余り多くいないのも事実です。
では、その判定基準を以下ご紹介しましょう。
先ず、これには”2つのステップ”があると言う事を念頭に置かれてください。
それは、
① (課税対象となるかどうかの)判定基準
② ①でその対象者となった方の、中国での課税対象となる所得を割り出す判定基準
模範解答として上記①と②に答えるのであれば、それは「183日」で事足りてしまう訳ですが、現実的にはそれほど単純ではありません。
例えば、「入国した日」や「出国した日」はどうカウントするのでしょうか?
或いは1日の間に「何度も入出国をした場合」はどうなるのでしょう?
その質問に対する正しい回答は、①の判定基準上では、上記の例(入国、出国、1日に何度も入出国)は、何れも”1日”とカウント。
つまり、これで数えて183日を超えていたら、その方は次の段階=②の「課税対象所得を割り出す計算」に入ることになります。
そしてその時もまた、この「183日のルール」を照らし合わせなくてはなりません。しかしながら、今度は税額計算の視点となりますので、①のものとは日数カウントのルールが違って参ります。
それは、先ほどでは各々(入国、出国、1日に何度も入出国)のカウント日数が”1日”でしたが、課税対象所得を割り出す際のカウント方法としては、これらは”半日”と変化するのです。
こうして”積み上がった”滞在日数対象分の所得に税率が乗っかり、税額が算出される。
このポイントが肝となります。
↓ブログ村参加してます。応援よろしくお願いします!↓
関連記事
-
-
不動産熱が再現?香港の投資家の思惑の背景とは?
香港のメジャーな英字新聞である「サウスチャイナ・モーニングポスト」(電子版)の報 …
-
-
“追徴課税”と言う打ち出の小槌
本日のニュースで、住宅建材大手トステムの創業者(2011年死去)の長女が東京国税 …
-
-
【コーヒーブレイク】 不動産投資(日本国内vs海外不動産)の特徴と比較
香港居民の間で投資に関する話題が上がると必ず盛り上がる分野と言うのが「不動産」で …
-
-
【日本の税制調査会の動向(2)】
今回は『脱税』と『脱税回避行為』に関してご案内です。 ◆『脱税』 『脱税』とは、 …
-
-
ゴーン問題が起こした国際税務問題
当初の予想を裏切る形となり、やや長期戦の様相を呈して来た感があるカルロス・ゴーン …
-
-
JETRO分析資料からみた香港における「スタートアップ」事業の近況
定期的なリサーチ資料として各産業界からも重宝されているJETRO(ジェトロ/日本 …
-
-
何故、香港金融業界で働く選択する理由があるのか?
金融業界人にとって『香港』と言う都市は非常に魅力的にその目に映る場所であり、デモ …
-
-
【香港ワンポイント -香港法人に日本の税金?】
【 質問 】 日本法人や日本の居住者が株主となっている香港法人の所得について、日 …
-
-
高層マンションの固定資産税の見直し
マスコミ各社の報道によりますと、政府は、高層マンションの固定資産税について、これ …
-
-
本社が海外子会社を支援する際に気をつけること
古今東西、“海外に進出する“と言うことはやはりどの会社にとっても大きなギャンブル …
- PREV
- FATCAとHSBC
- NEXT
- 2014-15年度香港政府財政予算案の発表
