CCM香港 スタッフブログ|香港法人、オフショア法人を設立・仮想通貨の活用するための最新情報

【マイナンバー(1)その種類と影響】

既に何度も取り上げているテーマですが、今回から2回に渡って改めてマイナンバー制度を案内します。

1)マイナンバー制度の種類
マイナンバー制度には、個人向けの”個人番号”と法人向けの”法人番号”とがあります。

個人番号の発行は、市町村が行うこととされており、1個人1番号とされ、原則として一生変更されません。

法人番号は、国税庁が付番することとされています。

そしてこの個人番号と法人番号の違いは何かと申しますと、その利用者の範囲です。

個人番号は、税務、年金等の社会福祉、災害対策に限って利用することができることとされていますので、利用者は税務署、社会保険庁、地方公共団体等の行政機関だけとされています。

民間事業者は、これらの行政機関に提出書類(たとえば源泉徴収票)に個人番号を記載することとされていますが、個人番号を利用した業務を行うことは禁止され、個人番号の取得や保管等についても厳しく制限されています。

他方、法人番号は、誰でも利用が可能であり、インターネットでの検索も可能となるとのことです。

2)マイナンバー制度導入の影響

マイナンバー制度は、主に2つの点から導入されました。

一つめは、住所、氏名、性別、年齢の情報で個人を特定することが困難な場合があり、これを改善するためです。

2つめは、行政手続きを行う際に、複数の行政機関の窓口に行かなければならないケースがあり、このような煩瑣な手続きを簡素化するためといわれています。

しかしながらその背景には、やはり”消えた”年金の問題が影響しているのではないかと考えられております。

この”消えた”年金問題とは、個人年金をコンピュータで管理する際、氏名の読み方をカタカナで管理することとしたものの、漢字表記された氏名の読み方がわからない、あるいは、データ入力担当者によって異なる読み方をしてしまう等として、結果的に1人の個人に対して複数の年金番号を付番する事になってしまいました。

このようなことから、マイナンバーによってその住所、氏名、生年月日、性別の番号を付番し、個人の特定化を目指した訳です。

個人番号は、年金などの社会福祉ほか、税務でも使用され、事業者等が税務署に提出する書類には、個人番号を記載することとされています(例:申告書、源泉徴収票、支払調書、国外財産調書など)。

これらの書類自体は、今までも税務署に提出していたわけですから、税務署での名寄せが容易になるといったことはありますが、だからと言って税務署が管理する情報がこれまでと違って格段に増加するといったことに繫がる訳では御座いません。

しかしながら、個人番号のない個人や法人番号のない法人については、今後マークされる可能性が高くなって来るであろうと思われています。

■あわせて読みたい■
【マイナンバー(2)その種類と影響】はこちら

 - 日本, 税金・税務 , , , , , ,

  関連記事

no image
【 海外一流大学への”パスポート”たる国際バカロレアとは? 】

富裕層や起業家の方々を問わず、香港やシンガポールなど海外に移住をして来た日本人の …

no image
給与あるところにはやはり「課税」?出向者に関する事前の忘備録

既に今までも何度かに渡って海外課税に関する議題を取り上げて来ました。しかしながら …

移住
【 国籍離脱・海外移住の意味 】

日本国憲法では、日本人は外国移住や国籍離脱の自由が認められています。 昨今の(国 …

no image
海外子会社に特許権などを使用させる際の注意点

2000年前後を機として日本企業の多くはその生産の拠点を中国に求めたことは周知の …

no image
香港競馬から見る、コロナ禍における我が国のオリンピック対策の乏しさ

ご存知の通り、東京オリンピックはどうやら“強行開催“の線が強くなったようです。 …

no image
【海外にペーパーカンパニー設立(投資目的用)する際の留意点】

海外投資目的で香港やオフショア・海外に会社設立される方々にとって留意すべき点は幾 …

no image
トランプ大統領就任から見る国際税務の変化

先月の20日、世界の目が米国ワシントンDCに集まりました。それは昨年の大統領選を …

no image
中国進出時のトラブル発展例(会計/工場編)

 日本企業が中国に進出する際は大きく分けて直接投資(直接進出)か、間接投資(香港 …

no image
何かと面倒な、海外税務の対応について

毎年日本では税制大綱なるものが年末に掛けて大枠を決定し、年明けに正式発表、そして …

no image
外国人も絡む、日本の健康保険に関した扶養親族要件の改正

香港を含んだ諸外国では日本で言う「健康保険制度」が整備されていないところも多々あ …