駐在者が知るべき税務用語
海外子会社に駐在となる方々にとってその赴任先は様々です。
古くはその主流であったアメリカ、また近年では中国や東南アジア、或いは香港やシンガポールといった
軽課税地域・国等々•••所属している会社のビジネス目的によって場所は異なって参ります。
今回は、渡航を前にした方々が事前に知っておくべき税務用語を纏めて見ましたので是非ご一読下さい。
移転価格税制
日本の親会社と海外子会社間の取引において、その取引価格を第三者企業との間(つまりグループ外顧客企業)で行っている価格水準に修正し、課税対象の所得を計算するもの。これは(特に軽課税地域・国に)法人所得を意図的に移転させる事で節税を意図する企業を牽制する税制と言われております。
外国子会社益金不算入制度
外国子会社からの配当を95%免除(益金としては計上しなくても良い、と言う事)する制度の事です。この税制の狙いは、日本国内にある親会社へ海外子会社が稼いだ収益を国内還流させる事を促進する為です。ただしここで注意が必要なのは、この配当に伴う日本親会社の税務コストが配当額X(現地配当源泉税率+1.8%)となる事です。
過小資本税制
一般的に、負債(例:親会社からの借入金)の自己資本に対する比率を一定の水準まで制限し(例:3対1)、それを超える部分の支払利息を損金不算入とする事を制定している税制です。この税制の目的は、高税率国の子会社に、他のグループ企業などから負債で資金を敢えて調達させることで、その支払利息によって課税所得の圧縮を試みる租税回避行為を防止する事を目的としております。
関連記事
-
-
【号外】香港でのSNSマーケティングで人気インフルエンサーとは?
SNSが登場することになって一変したことのひとつと言うものはマーケティングです。 …
-
-
香港進出日系企業はどう言う会社?
アジアの歴史に触れる機会を得られた方々にとっては、”英国と香港”、また”中国と香 …
-
-
中国で日本人の現地採用を行う場合の対処とは?
海外進出を行うとどの会社も現地人を優先して雇うケースと、現地で生活をしている日本 …
-
-
【中国から撤退をするには?】
中国事業からの撤退方法は幾つかに大きく分ける事が出来ます。 先ずは『清算』、『譲 …
-
-
【重要】 CCM香港 旧正月期間休業のお知らせ
平素は格別のお引きたてを賜り誠にありがとうございます。 弊社CCM香港は、下記の …
-
-
報道の乖離が著しい香港の現状とは?
域外に居住する層が得る香港情勢の情報の多くは「悲観」と言う言葉が一般的です。人権 …
-
-
オリンピックと香港
多くの障害を乗り越え、7月23日、東京オリンピックが開幕しました。一年延期となっ …
-
-
“隙“を突き続ける中国と香港が向き合わなくてはならない“窮状“
既に多くのメディアを通して発信されている情報ではありますが、新型コロナウィルスの …
-
-
外資系赴任者の社宅を巡る税務的判断
外国に本社を持つ企業が日本国内の子会社の業績に将来性を感じ取り、当初送っていた駐 …
-
-
香港の主権を巡る欧米と中国の“せめぎ合い“
今まで香港は対コロナ禍と言う軸で非常に優秀な結果を続けて来ていたことは以前のBl …