今更聞けない香港のビジネス基礎事項⑨~香港での個人所得納税手続について
まず、香港の課税年度は当該年度の4月1日から翌年度の3月31日までの期間を言い、この期間に獲得した収入がその申告の対象となります。
個人の場合、最初は雇用主側(勤務先)が『雇用主通知書』と言われる、給与所得から納税の義務があると見られる給与(及び手当など)を記入し税務当局に提出します。この『雇用主通知書』は通常毎年4月1日に税務局から企業に対して発行され、そこから一ヶ月以内に雇用主は税務局にその従業員へ支給している給与所得(及び手当)を申告しなくてはなりません。
こうして税務局側がこの『雇用主通知書』を受け取ったら、今度は従業員側(個人)に対して、『給与所得税申告書』が発行されます。こちらは通常、毎年5月1日付けで発行されますので、個人納税者は雇用主が提出した雇用主通知書をもとに、申告書に所得に関する情報を記入して、税務局に申告を行います。
こうして労使双方が提出した所得内容を税務当局が査定及び確認を行った後、正式な納税額が確定される事になり、個人側の給与所得税申告書の提出から約3ヶ月後に当局から納税通知書が発行されて個人の元に届く事になります。
納税額の支払は、2度に渡って税務局に支払いを行う事まで認めれらており(1回目は納税額の75%、2回目は残りの25%)、納税に伴う市民の負担感の軽減に一役買っています。
今更聞けない香港のビジネス基礎事項①
今更聞けない香港のビジネス基礎事項②
今更聞けない香港のビジネス基礎事項③
今更聞けない香港のビジネス基礎事項④
今更聞けない香港のビジネス基礎事項⑤
今更聞けない香港のビジネス基礎事項⑥
今更聞けない香港のビジネス基礎事項⑦
今更聞けない香港のビジネス基礎事項⑧
今更聞けない香港のビジネス基礎事項⑨
関連記事
-
仮想通貨(暗号通貨)に関する所得の計算方法等についてー3
> 仮想通貨(暗号通貨)に関する所得の計算方法等についてー1 > 仮想通貨(暗号 …
-
新型コロナウィルス対策:『追加支援策』に見る香港と日本の違い-1
最近顕著になって来ているのは、新型コロナウィルスの展開に各国で“差”が生まれて来 …
-
オフショアセンター比較、香港かそれともシンガポールか?
海外進出にはそれぞれの目的があり、それらによって進出先国が変わるのは当たり前のこ …
-
国際税務の基本を押さえる為に必要なこと【コーヒーブレイク】
外国進出を行うと言うことはその国での決まり事を確りと押さえた上で慎重に計画を立て …
-
何故、香港金融業界で働く選択する理由があるのか?
金融業界人にとって『香港』と言う都市は非常に魅力的にその目に映る場所であり、デモ …
-
2018年7月の法人設立個別相談会のお知らせ
みなさま、こんにちは。CCM香港スタッフです。 CCM香港では定期的に香港法人設 …
-
今後の香港ビジネスの描き方
昨今の香港情勢を鑑みると、企業の経営サイドとして判断に困難を伴うと見るのが一般的 …
-
2019年4月の法人設立個別相談会のお知らせ
みなさま、こんにちは。CCM香港スタッフです。 CCM香港では定期的に香港法人設 …
-
混乱期にある香港とそこに住む人々の意識
昨年6月に勃発した香港デモは、これまで幾つかの大きな衝突を経たこともあったことも …
-
香港に於ける会社清算の種類
香港は市場経済においてレッセフェール(laissez-faire=自由放任主義) …