配当金送付にかかる税率の差
日本から直接中国進出をされて、稼いだ利益を配当金として直接日本本社に送る場合と、日本▶︎香港▶︎中国と言った形で進出をされ、香港会社を間に入れた形で日本本社に送る場合に以下のような差が出て来る事をご存知でしたか?
<比較前提条件>
(1)税引前利益:10,000
(2)企業所得税(税引前利益の25%)–2,500(=10,000 x 25%)
(3)中国源泉税(税引後利益に対して10%)–750(=7,500 x 10%)
(4)外国子会社益金不算入制度
(配当金に対して5%のみ益金算入)
(5)日本法人税実効税率 — 35%
<中国子会社▶︎日本本社>
(1)-(2)-(3)=10,000-2,500-750=6,750–(6)
日本でかかる税額
(6) x (4) x (5) = 6,750 x 5% x 35% =118.13–(7)
日本の親会社が受け取る配当金
(6)−(7)=6,631.87
<中国孫会社▶︎香港会社子会社▶︎日本本社>
(1)-(2)-(3)*=10,000-2,500-375=7,125-−(8)
* 中国・香港租税協定による優遇措置あり-−源泉税額半額(10% ▶︎ 5%)
日本でかかる税額
(8) x (4) x (5) = 7,125 x 5% x 35% = 124.69 –(9)
日本の親会社が受け取る配当金
(8) – (9) = 7,000.31 (配当金額)
上記のキーポイントは配当金が中国から香港に出される際の源泉税額の取り扱いになります。
関連記事
-
海外における経営現地化の難しさ
海外展開を行う企業にとっては昔も今も恒常的課題として横たわるのは海外現地化への舵 …
-
「香港−日本」を含めたアジア諸国での出入国規制のあれこれ〜
出入国の管理の“厳格化“と言うものは、今回の新型コロナウィルスのようなパンデミッ …
-
【NHKで預金封鎖、財産税の特集が放送されました】
HSBCお助け支店ブログで、NHKが放送した預金封鎖の動画がアップされています。 …
-
【平成27年度税制改正大綱~まとめ】
昨年12月30日に平成27年度の税制改正大綱が発表されましたのでポイントを纏めて …
-
香港ビジネス活用術ウェビナー 12/12(水)開催
今年最後の無料ウェビナーの開催日が決定いたしましたので、お知らせいたします。 今 …
-
”タワマン節税”にも税務局の手が!?
タワーマンション節税は完璧な節税方法だったのか? 相続税に対してタワーマンション …
-
税務署目線で対策を練ることの大切さについて2
前回からの続きとなりますが、今後、軽課税地域に居住している人やそこで事業展開を計 …
-
【 中国のビザの種類について 】
中国で発行される主なビザ4種類の内容、違いについてご案内します。 【 Lビザ …
-
【コーヒーブレイク】 不動産投資(日本国内vs海外不動産)の特徴と比較
香港居民の間で投資に関する話題が上がると必ず盛り上がる分野と言うのが「不動産」で …
-
国家税務総局(SAT)による小型簿利企業の所得税優遇政策に関する通知
国家税務総局はその公式サイトで、「中華人民共和国企業所得税法」及び、 「財政部、 …
- PREV
- 中国の会計年度と"予定納税"と言う概念
- NEXT
- 【 中国のビザの種類について 】