香港への長期出張と納税義務に関する質問事例紹介
質問:
香港に長期出張と言う形で滞在していますが、その場合、香港での納税義務はあるのでしょうか?
回答:
まず、その方の雇用契約関係が香港内にあるかどうかに着目する必要があります。仮に雇用契約関係があると言う場合は、その雇用関係から発生した全ての収入に対して課税されて行くことになります。
一方、日本などに雇用関係がある場合は、香港内で提供した役務に対してのみ課税されます。
ただし後者の場合、年間で60日以内の滞在であり、且つ本人が香港居住者でなければ、給与所得に関しての納税義務は免除されます。
一方、60日以上の滞在の場合は、実務上、香港内で発生した収入を滞在日数を按分した計算方法で算出したものが納税額とされます。
しかしながら、取締役などのポジションで役員報酬をその香港法人から受け取っている場合は、(香港での滞在日数に問わず)その役員報酬額に対して課税がされますのでご注意下さいませ。
関連記事
-
独断と偏見で選ぶ、香港の『2019年10大ニュース』-1
1年の終わりになると必ず取り扱われるテーマの中に「◯◯◯◯年の10大ニュース」と …
-
国外財産調書、第2回目の提出数は?
国外財産調書、第2回目の総提出件数は提出は8,184件 国税庁は2015年10月 …
-
【 PE認定課税に於ける判定ー事例 】
香港やシンガポールなどに海外法人設立を行いますと、その税率から移転価格の問題やタ …
-
日本国の租税条約ネットワーク
日本国の租税条約ネットワーク 日本は2015年現在、世界90か国・地域と二国間租 …
-
【 世界消費税ランキング 】
日本も消費税が5%から8%へと上昇し、そして2017年4月にはとうとう大台の10 …
-
【平成27年度税制改正大綱~まとめ】
昨年12月30日に平成27年度の税制改正大綱が発表されましたのでポイントを纏めて …
-
【マイナンバー(2)海外居住者取扱いと個人番号カード】
◆海外居住者の取扱いについて マイナンバー制度施行となると、その対象となられる可 …
-
日本から脚光が当たり始めた香港の移転価格税制
結論めいた形の話を最初から言うと、数ある税制度の中で「移転価格」と言う分野につい …
-
【国境をまたぐ役務提供に関する消費課税見直しについて】
海外法人設立ご相談の中で、お客様の事業として話が頻繁にあるケースと言うとインター …
-
2017年訪日外国人の動向
毎年、日本には沢山の観光客やビジネスマン達が訪れます。主としてアジアからの来客が …
- PREV
- 中国進出時のトラブル発展例(会計/工場編)
- NEXT
- BVI法人清算に関する質問事例紹介