タックスヘイブン対策税制とは?
海外に法人を設立すると、必ず進出先の国の税制との絡みから検討項目のひとつとしてあがるのが、この”タックスヘイブン対策税制”です。
この税制は、仮に税金がかからない国や税負担があっても税率が非常に低い国や地域(=軽課税国・地域 / 20%以下の法人税)に子会社を設立した場合、その子会社に利益を留保するような租税回避行為に対処する為に国税局が設けた課税制度のことを言います。
ご存知である方もいらっしゃると思いますが、香港は法人税率が16.5%です。これは即ちこのタックスヘイブン対策税制上、”軽課税地域”であると定義さ れます。従って、国内企業は香港に進出すると自動的にこの税制の”対象企業”となってしまいます。(=特定外国子会社と言う位置付け)
さて、では具体的にどの様な基準を持って適用の是非を判断されるものなのでしょうか?
このタックスヘイブン対策税制は、以下に挙げます条件の”全て”を満たさない限り適用除外とならず、海外子会社はその対象範囲になってしまうと言うことをご理解下さい。
1.事業基準
主たる事業が株式の保有などでない事
2.実体基準
本店所在地国に主たる自供に必要な事務所などを有する事
3.管理支配基準
本店所在地国において事業の管理支配及び運営を自らおこなっている事
4.所在地国基準
主として所在地国で事業を行っている事(下記7種以外の業種)
(非関連者基準)
主として関連者(50%超出資)以外のものと取引を行っている事
卸売業、銀行業、信託業、証券業、保険業、水運業、航空運送業(物流統括会社と取引する非統括会社を除外)の7種
こうしたことのひとつひとつをクリアするのは、やはり確りした事前計画を立てることが肝要ですね。
↓ブログ村参加してます。応援よろしくお願いします!↓
関連記事
-
-
YouTubeを仕事にする者の課税関係の話
従来のエンターテイメントや時事を取り扱うニュースなどの“主軸”であったTVや新聞 …
-
-
香港商標・意匠の登録に関するQ&A
【質問1】 日本ですでに登録を済ませているが、香港でも権利が保護されますか? 回 …
-
-
香港上場(IPO)手法の中に見られる『裏口上場』とは?
上場起債額が世界でトップと言える香港。上場先はメインボードとGEMボードの二つに …
-
-
映画でも度々舞台となる香港の魅力②
香港を語る上では多くの論点が存在することは明らかです。僅か700万人程度のテリト …
-
-
高層マンションの固定資産税の見直し
マスコミ各社の報道によりますと、政府は、高層マンションの固定資産税について、これ …
-
-
「パナマ文書」以降、香港の資産管理や運用の方法で一体何が変化して来たのか?
2016年に公開された「パナマ文書」は、タックスヘイブンを利用した租税回避や不透 …
-
-
香港で行う資金調達 IPOの改定項目が与える影響とは?(2)
以前も何回か香港での上場に関する記事を投稿させて頂いたこともありますが、昨今では …
-
-
香港・海外法人設立 無料電話相談のご案内
CCM香港では、海外進出・海外事業展開に向けて弊社にて海外法人設立を検討されてい …
-
-
【 東京23区内居住と相続税 】
今年の1月から相続税の最高税率が引き上げられたり、控除枠が縮小する事によって税収 …
-
-
海外税務〜どうにかして税金が安くならないかを考えてみる
香港などに進出を行うと、その土地の特性柄(=軽課税地域)もあり、企業は「税」に関 …
- PREV
- 香港で上場するには...
- NEXT
- 海外進出日系企業が抱える資金面・事業面での課題とリスク