香港で上場するには…
以前ほどでなくなったとは言え、依然として企業の『海外進出先』の中で中心的な位置に来るのは中国であり、香港です。
最近では今年の3月に”ユニクロ”のファーストリテイリング社が香港で上場を果たしたと言うこともあり、既に進出済みの企業の中にはこれまで以上に中・長期的な視点からこの地を”実業”と”資金調達”という両面から有効活用して行こうと言う機運が高まって来ております。
では仮に最終的な目標が「香港上場」となった場合、その上場基準と言うのはどうなっているでしょう?
香港で上場を行う場合、大きく分けて二つの選択肢がある事を頭に入れて置く必要があります。
ひとつは日本の東証1部に相当するようなメジャーな市場である『メインボード』、そしてもうひとつが成長企業市場が上場を目指す先となる『GEM』(=グロース・エンタープライズ・マーケットの略)です。
『メインボード』が基本的に(香港における)全ての上場基準を満たさなくてはならないのに対し、『GEM』は、メインボードほど厳格な基準順守は求められていません。従って多くの上場候補先企業にとってはGEMをメインボード上場へのひとつの”ステップ”として捉え、”本”上場までのウォームアップに置くと言う側面が御座います。
実際、上場基準の条件で比較すると、財務的要件として3つの基準(1.利益、2.時価総額及び売上高、3.CF)を敷いているのがメインボードであり、2つの基準(1.時価総額、2.CF)でOKなのがGEM。
また監査証明期間もメインボードは3期求められるのに対し、GEMは2期だけが対象となるだけです。
勿論、上場する為のこうした基準の強弱の差は、各々の時価総額の視点からも大きな差となって表れます。メインボードの時価総額規模は実にGEMの266倍強(2013年)となる訳ですから資金調達力の面などでも本当の旨味を享受出来るのは”メインボード上場に到達して初めて得られると言えるかも知れません。
↓ブログ村参加してます。応援よろしくお願いします!↓
関連記事
-
-
【重要】CCM香港休業のお知らせ
平素は格別のお引きたてを賜り誠にありがとうございます。 弊社CCM香港は、下記の …
-
-
香港と日本の関係。「平成」を振り返ることで「令和」を想う
2019年5月1日、我国の歴史の中で“大きな変化”が訪れました。それは、過去30 …
-
-
香港ビジネス活用術ウェビナー 12/12(水)開催
今年最後の無料ウェビナーの開催日が決定いたしましたので、お知らせいたします。 今 …
-
-
タワマン固定資産税 課税方法改正に関するお話し
昨年の12月8日に新しい与党税制改正大綱が公表され、その詳細が明らかになりました …
-
-
「納税管理人」の概要と手続きについて
駐在を行うとそれなりの期間、日本の制度の諸々から離れることを意味します。その期間 …
-
-
【コーヒーブレイク】海外進出企業が陥る「罠」 〜何故、日本企業は成功出来ないのか?
世界がコロナ禍の状況に陥ってから早2年近くに経過しますが、日本のような島国であっ …
-
-
国際金融都市で起こる動乱
ひょっとしたら今回の「逃亡犯条例」の改正案が可決されてしまうことで香港が香港とし …
-
-
香港のAI発展事情とそれらに中心的に関わる企業・団体とは?
最先端のビジネスを語る時、テクノロジーの発展について広範な情報の領域をカバーし、 …
-
-
マカオグランプリでCCM香港がスポンサーになったSJMセオドールプレマレーシングについて
いよいよ11月11日から始まるマカオグランプリですが、CCM香港がSJMセオドー …
-
-
あれから3年…「パナマ文書」と香港
2016年、香港のみならず世界中の人々を震撼させた「パナマ文書」。あの時の巨大な …
- PREV
- 進出金融機関数から見る香港の横顔
- NEXT
- タックスヘイブン対策税制とは?