源泉徴収と言う視点からみた国際税務
一般的に外国企業が日本において日本のマーケットを利用して何等かの所得を獲得した場合、ここには、基本的な条件として、源泉税の支払が発生します。
その後、実務としてこの外国法人が直接日本の税務署と支払に関するやり取りを行うものではありませんが、その代わりに(この外国法人の取引先となる)通常は日本の法人(=源泉徴収義務者、と言います)がこの外国法人の納税額を一旦は”肩代わり”する形となり決着します。
これは(実質の納税者で、且つ、申告責任を負っている)従来の申告納税制度とはそのスタンスとやり方に明確な違いがある部分と言えるところですね。
また外国とのやり取りとなる為、所得源泉地国たる日本の税法と租税条約などの面からの違いの部分に充分な検討が必要になる事は言うまでもありません。
以下に挙げますのは主な国内所得の書類と源泉徴収の税率になりますのでご参考下さい。
【国内所得の書類と源泉徴収の税率】
1.土地建物の譲渡 ⇒ 10%
2.人的役務提供事業の対価 ⇒ 20%
3.国内にある不動産・不動産の上に存する権利等の賃貸料 ⇒ 20%
4.預貯金・国債等の利子 ⇒ 15%
5.上場株式の配当等 ⇒ 7%
6.非上場株式の配当等 ⇒ 20%
7.貸付金の利子 ⇒ 20%
8.工業所有権・著作権等の使用料 ⇒ 20%
9.譲渡対価、機械・装置等の使用料 ⇒ 20%
10.給与・人的役務の提供に係わる報酬 ⇒ 20%
因みに香港では源泉税そのものが御座いません。
↓ブログ村参加してます。応援よろしくお願いします!↓
関連記事
-
-
仮想通貨(暗号通貨)に関する所得の計算方法等についてー6
> 仮想通貨(暗号通貨)に関する所得の計算方法等についてー1 > 仮想通貨(暗号 …
-
-
香港の大学教育レベルは欧米有名校並み?その内容についての考察
一般的に言って、日本人にとって『留学』という言葉を聞く時に多くの者の頭の中に浮か …
-
-
香港の新聞はどう言うものがあるの?
日本で生活しているとその生活の何処かに「新聞」と言うものがあります。ビジネスマン …
-
-
香港に法人を設立する事は簡単に出来るのでしょうか?
<お問い合わせ> 香港に法人を設立する事は簡単に出来るのでしょうか?法人登記手続 …
-
-
本社と海外子会社の間にある“溝”
昨今、『海外進出』の際の問題点の中には海外子会社に於ける危機管理対応があります。 …
-
-
海外信託を使用すると言うこと2
「ウェルスマネジメント」を考えた際、使用できる方法と言うのは様々です。PB(プラ …
-
-
駐在員一人当たりの総コスト(香港と中国の場合)
ひと口に「海外駐在」と言ってもコスト負担の視点で考えて見ると、会社側は相当の額を …
-
-
香港と台湾の、“中国との関係”について
「日本加油」(=日本頑張れ) 4月21日、台湾が日本に対して送った200万枚のマ …
-
-
改めて、移転価格とその調査について
移転価格調査と言うのは通常の税務調査の中でも非常に特殊分野に入る専門調査です。従 …
-
-
中国駐在となる本社採用の中国人幹部に関して配慮すること
日本から中華圏などに駐在で行かされる人員は、日本人より日本採用の中国人スタッフの …
- PREV
- "追徴課税"と言う打ち出の小槌
- NEXT
- 中国で確定申告は必要か?
