国外財産調書制度に続き、財産債務調書も義務付け
【次から次へと続く、国からの“調書”】
税制改正の度に続々と税務当局から出される制度や調書は国民を辟易させるものです。
海外、特に軽課税国や地域に資産フライトを試みる方々の大方の本音としては、恐らく、本当は国内に全てを留めて置きたいと言う所でしょう。しかしながら、そうした本音を出す事すら躊躇わざるを得ないと言うのが日本の税の世界の実勢です。
今から2年ほど前に導入された『国外財産調書制度』、今年4月の『消費増税(第一段階)』、また今年7月の『出国税』、そして(これは直接税額などには影響は与えませんが)今月からプレスタート(?)した『マイナンバー』、更に2017年には『消費増税(第二段階)』が続きます。
今回ご案内させて頂くのは、実はこのマイナンバー制度の正式スタート(2016年1月)と同じタイミングで新たな調書もスタートします。それが『財産債務調書』です。
実はこの調書は既に昔から『財産及び債務の明細書』と言う名称で存在していました。その時の括りと言うのは“確定申告書を提出すべき人の内、所得金額が2千万円超の人”であり、そしてその記載事項として要求されていたのは“財産の種類、数量及び価額”でした。今回の改正後の『財産債務調書』はどうなるのかと言うと“確定申告書を出すべき人のうち、所得金額が2千万円超の人”であり、かつ、“その年の12月31日現在で資産総額3億円以上”、または“1億円以上の有価証券などがある人”と改められました。
こう書きますと確かに一見今回の改正で緩和されたような印象がございますが、改正前の記載内容と言うのは金額などがかなり大雑把であり、また不備が多かったと聞きます。また提出率も期待したレベルではなく、よって今回の改正から徹底的にそれらを点を強化して行くものとなるとの事です。
具体的には「財産の種類」、「数量」、「金額」、「財産の住所」、「有価証券等の銘柄及び時価」などの詳細情報を正確に申告する事が求められます。また提出率強化の為に、未提出などが発覚した場合は過小申告加算税(10%・15%)、または無申告加算税(15%・20%)の5%がペナルティーとして余計に掛かると言うものです。
税の“包囲網”がいよいよ現実的になって参りました。
↓ブログ村参加してます。応援よろしくお願いします!↓
関連記事
-
-
中国での「社会保険」に日本人駐在員は加入する必要があるのか?
弊社の業務範囲と言うのは香港を中心としてオフショア国(地域)などのご相談案件が中 …
-
-
【 PE認定課税に於ける判定ー事例 】
香港やシンガポールなどに海外法人設立を行いますと、その税率から移転価格の問題やタ …
-
-
政府機関が宣伝する香港の魅力とは?
ビジネス誘致と言う視点で政府機関の一部として公式に香港のプロモーションを行なって …
-
-
中国で駐在員が巻き込まれるトラブル(事例紹介)
中国は日本人(駐在員)にとって”合う“、”合わない“がハッキリと分かれる傾向が多 …
-
-
世界(アジア)は何故、このBEPSプロジェクトを推進することになったのか?ー1
昨今の租税を巡る国際的なムーブメントの中で特に重要なものと考えられている動きと言 …
-
-
ようやく緩和措置の導入?香港のコロナ対策について
世界のコロナ情勢を見ると、一時期の混乱期を経過して徐々に各々の解決策が実を結びつ …
-
-
「トリーティーショッピング」から得るメリット
海外展開を行う企業の中には、進出における最初のプランニングの段階から様々な場所に …
-
-
【 路線価から見る国内税額トレンド 】
相続税や法人税、或いは所得税と言った各種税額の算定には、時価評価額に触れる部分が …
-
-
今、改めて案内する海外法人設立の際の留意事項
近年、海外法人を設立しようとする日本人の方の数は(景気などに左右されず)継続的に …
-
-
香港での「解雇」について
米中貿易戦争の影響や長期化しているデモの影響もあってか、最近の香港市場から出て来 …
