”タワマン節税”にも税務局の手が!?
タワーマンション節税は完璧な節税方法だったのか?
相続税に対してタワーマンションを使用した節税策(以下”タワマン節税”)と言うものを利用すると、最大で相続税評価額の9割も圧縮できると言われております。元々は一部の富裕層がその相続税対策としてひそかに行っていたものでしたが、ここに目をつけた大手不動産会社やメディア等が、この「タワマン節税」に関してセミナーや書物などで”扇動”を行っていた為なのでしょうか、とうとう国税はここにもメスを入れる決意をしたようです(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151103-00000008-asahi-soci)。
個人の住居の相続税評価額を決める際は基本的に以下の構成(「財産評価基本通達」に記載)から算出されます。
それはまず「土地」であり、そしてその土地に建つ「建物」となります。
土地に関しては敷地面積 X 路線価、建物の方は固定資産税評価額となり、それらをプラスして相続税額が算出されると言う仕組みです。
同じタワマンの中でも高層階の物件を取得する場合は、当然の事ながら、その分譲価格は低層階のものよりも大きくなるのが一般的です。しかしながらそこから算出される評価額と言うものは(同じタワーマンション内である為)、実は同じ金額となってしまうのです。そうなると高層階にある物件の方が(結果的に)初期投資の多い分、節税効果が見込めるのは明白であり、ここに国税の目が向けられたと言う訳です。
何れにしましても、こうした経緯はともかく、国税の言う”「著しく不適当」なケースは個別に評価し直す”と言う通達の定義はあやふや極まりないのは確かであり、今後様々な議題・問題が山積して行く事は間違いないでしょう。
何故なら、(例えば)同じマンションを購入したにもかかわらず、”高層階だけ”がその規制に抵触すると言う事態が発生したり、低層マンションでも立地や特例などを組み合わせる場合等のやり方によっては、この「タワマン節税」の水準に近い評価減を実現出来る可能性があり、そうなると総体的な判断から来る本来の取扱いと言うのは一体どうなるのか?等々…公平性の視点から著しく逸脱する括りになり兼ねません。
何れにしましても、今後、国税庁から発表される規定詳細には注視をして行く必要はあります。
↓ブログ村参加してます。応援よろしくお願いします!↓
関連記事
-
-
国際税務の基本を押さえる為に必要なこと【コーヒーブレイク】
外国進出を行うと言うことはその国での決まり事を確りと押さえた上で慎重に計画を立て …
-
-
香港で証券市場の特色について
香港は『国際金融センター』として世界に対してその地位を確立していると言えます。 …
-
-
香港政府の防疫措置の延長及び一部強化の情報
2020年12月15日時点の香港・マカオへの渡航制限、防疫措置情報です。 202 …
-
-
日本の居住者・非居住者判定の基準点
日本税制を海外まで広げて行く時、必ず眼前に現れるのはこの「居住者・非居住者」の判 …
-
-
香港で“お手伝いさん”を雇う際の基本事項
海外駐在となると様々な事を一から準備して行かなくてはならない為、駐在員自身やご家 …
-
-
【 国外資産は結局のところ把握される? 】
マイナンバーの通知が目前に迫って参りました。 スケジュールとしては2015年10 …
-
-
中国と日本の課税方式の違いとは?
中国で事業活動を開始する際は様々な点を周到に用意する事が肝要です。 しかしながら …
-
-
香港観光スポット10選!夏休みの海外旅行は香港で決まり!
今年も既に7月になりました。もうこの時点になると夏休みの予定をバッチリ計画されて …
-
-
【 敵対的買収劇がもたらしたもの-2007年ブルドックソース事件とは? 】
2007年5月中旬に突如発生した企業買収を巡るこの事件、米系投資ファンド会社ステ …
-
-
2016年の来日外国人数の動向
昨今の日本に於ける観光客数は増加傾向を帯びています。去る1月17日、観光庁から出 …
- PREV
- 香港なら朝食も担々麺!!
- NEXT
- Interactive Brokers香港で法人口座開設