CCM香港 スタッフブログ|香港法人、オフショア法人を設立・仮想通貨の活用するための最新情報

【日本の税制調査会の動向(3)】

今回は平成27年度の税制改正に於ける国際的租税回避に関する「動き」がございましたのでご案内させて頂きます。

この税制改正大綱では、国際課税に係る租税回避に関する改正として以下の項目があげられていました。

【租税回避項目】
(1) 外国子会社配当益金不算入制度の” 制限 ”
従来の制度(外国子会社益金不算入制度)では、外国にある子会社の配当金に関しては、その95%を”益金不算入”とする事が出来ると言う、言わば非常に”寛大な措置”が日本では設定されていた訳ですが、一部の国(例”オーストラリア、ブラジルなど)に子会社を持ってしまうとこの配当金を経費算入処理する事が出来てしまう事が判明した為、こうした「2重控除」の阻止をする目的で所在地国で経費算入される配当については、益金不算入の対象としないとされました。

(2) 情報交換の拡充
日本の金融機関に口座を有している非居住者については、その口座情報を国税当局に提出させ、居住地国の国税当局に情報提供すると言う項目が追加されました。

(3) 消費税関係
インターネット回線を利用し、日本の国外から日本に本、楽曲、映像、ソフトウエアなどを販売している場合には、日本の消費税を課税すると言うものも追加されました。
こうした動向を鑑みますと、今後の方向として備えて置かなくてはならない点は、BEPS行動計画(Base Erosion and Profit Shifting:税源浸食と利益移転)記載されている項目に関して、逐次検討が行われる事になり、それらが日本の税法に導入されると言う流れになる形であると言う事です。

特に、移転価格税制における無形資産の移転の問題については、注視する必要があるでしょう。

■あわせて読みたい■
【日本の税制調査会の動向(1)】はこちら
【日本の税制調査会の動向(2)】はこちら

 - 日本, 税金・税務 , , ,

  関連記事

no image
香港は「グローバル教育」実践の場?

海外赴任となると、国内での勝手とは違い、自分自身の仕事も責任範囲が拡大する為それ …

no image
日本と香港 給与所得に掛かる税金の相違点とは?

国が違えば制度が違うのは当たり前の事ですが、香港と日本で給与所得を受け取ると言う …

no image
国際税務の基本を押さえる為に必要なこと【コーヒーブレイク】

外国進出を行うと言うことはその国での決まり事を確りと押さえた上で慎重に計画を立て …

no image
ご相談事例 (繊維系貿易会社のケース)

弊社には日々、沢山の問い合わせが香港内、中国、そして日本などからやって参ります。 …

マイナンバー
【マイナンバー(1)その種類と影響】

既に何度も取り上げているテーマですが、今回から2回に渡って改めてマイナンバー制度 …

banner_meeting
2019年9月の法人設立個別相談会のお知らせ

みなさま、こんにちは。CCM香港スタッフです。 CCM香港では定期的に香港法人設 …

no image
日本と香港、富裕層を取り巻く税状況について

自分でリスクを取り、努力し、頭を使って財を築いても、相続が発生すると我が物顔でそ …

no image
本社が海外子会社を支援する際に気をつけること

古今東西、“海外に進出する“と言うことはやはりどの会社にとっても大きなギャンブル …

no image
統括機能を装備する企業にとっての香港とシンガポールの異なる点

世の人達にとって「香港」と「シンガポール」は常に比較される対象として存在をしてい …

no image
アベノミクスの方向性と2015年、最初の増税

2014年30日に自民、公明両党は2015年度与党税制改正大綱を決定致しました。 …