香港法人の清算について 1
香港法における法人の清算とは、法人の業務を閉鎖し、法人の全資産を最初に債権者へ、そして株主へと分配するプロセスで、清算完了後には法人は消滅します。
香港法人を清算する方法としては、次の方法があります。
【香港法人の精算手順】
◆ 1)法人登録の抹消(Deregistration) ◆
事業を完全に閉鎖しており、法人口座の残高移動がなくなった日から三ヶ月以上経過しており、債権債務や未払いの税金がない状態である場合、登録抹消という簡単な形で、法人を閉鎖することが可能です。
廃業日を明記した指定フォームを税務局に提出し、税務局の承認を経て、会社登記処へ法人抹消の登記をする形で進めます。
三ヶ月の公告期間を経て、トータルで約6~9ヶ月で抹消手続きが完了します。
抹消完了後、必要な手続きをとれば、法人を復活させることも可能です。
◆ 2)株主による自動清算(Member’s Voluntary Winding-up/Liquidation) ◆
債務超過の状況になく、清算費用も自ら捻出できる状況である場合には、株主総会の特別決議を経て、株主により清算開始することが可能です。
裁判所に清算申し立てしなくとも、会社登記処で清算開始の登記をするだけで、清算を開始することができます。
清算法人は特別決議の日から14日以内に官報にその旨掲載し、また最初の債権者集会開催についても官報に掲載し、開催前には、債権者と債権金額に関するリストを作成します。
最初の債権者集会では清算人が任命され、債権金額の多い順から複数の債権者による検査委員会が組織されます。
検査委員会の職責は、清算完了までの間、清算人の活動を監督することです。
清算にかかる期間は、債権者の数や資産のリストアップや処分にかかる時間により変動することになりますので、一概には言えませんが、通常約1年~1年半かかることが多くなっています。 清算完了後、法人は完全に消滅しますので、復活はできません。
なお、一旦清算が開始してしまうと、清算を開始した法人に関するいかなる株式の譲渡も、清算人もしくは清算人を通じて許可された者の承認を得ない限り、一律に無効とみなされます。
CCM香港では香港法人の清算についてのご相談にも対応しております。
◇ お問い合わせフォームはこちら ◇
http://www.ccm.com.hk/contact/index.html
↓ブログ村参加してます。応援よろしくお願いします!↓
関連記事
-
-
香港で“強制力”を伴う法人への制度について
香港は世界でも自由港としてのスタンスを誇示していますが、そんな環境の中でもやはり …
-
-
基礎から学ぶ、「香港」と言うテリトリー
「逃亡犯条例」の改定の一件で、余り宜しくないイメージが付いてしまっている感のある …
-
-
香港に於ける会計監査とは?
日本に於いては上場会社などの規模の大きな企業のみが対象とされる法定監査ですが、香 …
-
-
香港政府の防疫措置の延長及び一部強化の情報【2021年2月23日時点】
2021年2月23日時点の香港・マカオへの渡航制限、防疫措置情報です。 1 20 …
-
-
運命の出会い?中国と香港を左右する2人の図式
香港がこの2年、中国が実施導入する様々な事案にその運命が左右されて来たことを否定 …
-
-
中国での「社会保険」に日本人駐在員は加入する必要があるのか?
弊社の業務範囲と言うのは香港を中心としてオフショア国(地域)などのご相談案件が中 …
-
-
税制大綱発表前にもう一度考える。香港を利用した「節税」-1
毎年年末に掛けて日本国内の税理士業界は1年の大きな変化とされる「税制大綱」に関す …
-
-
香港に於ける「個人情報」の取扱いについてー2
昨今は国を問わず個人に関する情報と言うものに対して人々の意識は鋭敏になって参りま …
-
-
2つの「特別行政区」、香港と澳門について
日本から香港に渡航される方々の中にはマカオ(澳門)を“セット”にして訪れるような …
-
-
海外に何らかの支払いをする時に重要なこと
日本で全てのビジネスが完結するのであれば、全く考慮に入れる必要がないと言うタイプ …
- PREV
- 増加する香港IPOを目指す日系企業
- NEXT
- 香港法人の清算について 2