香港における破産について
破産には二つの方法があります。
1)債権者が裁判所に破産申立を行い、未決済の債務がある個人・法人あるいは法人パートナーを相手取り起訴する。
2)債務の返済能力がない債務者が、裁判所へ自主的に破産申立を行う場合のいずれかとなる。
香港における破産については、「破産条例」に規定があり、同条例の主な目的は次の通りです。
1)破産者の総資産を包括的に管理・換価して、総債権者に公平に配分する。
2)債務返済できない理由について調査し、破産条例の条文規定に違反する破産者には、懲罰を科す。
破産条例では、自己破産以外にも、日本で言う「個人民事再生手続(中国語で「個人自願安排」)」の選択が与えられています。
1)個人民事再生手続において、債務者は裁判所および債権者に対して、債務返済計画を提出する。
計画が認可されれば、そのような計画は全債務者に対して、法的に拘束力を有することとなる。
2)個人民事再生手続のメリット
・債務者は破産による不名誉を回避できる
・債務者は「破産条例」及びその他の法律に基づく法的制限を受けずにすむ
・債務者が仕事や専門資格を失うことを回避できる
個人民事再生手続には、上記のようなメリットがあるため、債務者の方は、自己破産の申立を行う前に、ぜひ検討されることをお勧め致します。
CCM香港では香港での破産手続きのご相談にも対応しております。
お問い合わせフォームはこちらから。
↓ブログ村参加してます。応援よろしくお願いします!↓
関連記事
-
-
バイデン新政権誕生から発生する香港、台湾、日本の「憂鬱」
この2ヶ月強の間、世界はまさにアメリカ大統領選挙の行方に一喜一憂することになりま …
-
-
香港での「解雇」について
米中貿易戦争の影響や長期化しているデモの影響もあってか、最近の香港市場から出て来 …
-
-
香港での納税義務のタイミング
どの国においても税金の“未払い”と言う事由に対してはそれなりの代償(罰金&法的な …
-
-
香港の『国際金融センター』としてのポジションの「変異」
当コラムでも何度も取り扱って来たテーマのひとつである香港の『国際金融センターラン …
-
-
海外における経営現地化の難しさ
海外展開を行う企業にとっては昔も今も恒常的課題として横たわるのは海外現地化への舵 …
-
-
香港で故人の口座から残高を引出しするには?
海外で口座を所有されていらっしゃる方や香港などに駐在でいらっしゃった方などが、お …
-
-
今、改めて香港のデモと中国の対立を考える
今年は“コロナに明けコロナに暮れる“と形容しても良い程、まさに未曾有の一年となり …
-
-
不動産熱が再現?香港の投資家の思惑の背景とは?
香港のメジャーな英字新聞である「サウスチャイナ・モーニングポスト」(電子版)の報 …
-
-
新しい「5年」の始まり。そして香港はどう変わるのか?
半ば予想されていた事ではありましたが、5月8日、今年の7月1日以降5年間の行方を …
-
-
英国と中国、「香港」を巡るお互いの主張
我々西側にいる人間たちからすると、中国が行なっている香港に対する弾圧というのは非 …
- PREV
- 香港法人の従業員解雇について
- NEXT
- 香港就労ビザの申請について