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【 "2016年施行予定の法人税率引き下げ" その余波・影響 】

更新日:2015年12月01日

2015年も年の瀬に迫ったこの時期は、例年、税制などを筆頭とした幾つかの重大な変化を示唆する動きが政府から出て参ります。今年のそれは、会社にとって重要なテーマが中心となりました。それは法人税税率引き下げが、来年施行を視野として今や最終調整の段階まで入って来たからです。

先月の24日、経済財政諮問会議では甘利経済財政担当大臣が来年度から"法人税率を引き下げるべき"と発言し、これに菅官房長官が同調するという出来事がありました。この背景は、タイムラインが決められている(2018年度)中で10兆円の設備投資を可能とするには、この法人税の税率引き下げが不可欠であると言う経済界からの強い要望がある為です。

当然の事ながら、法人税率を引き下げるという事は税収の減少に直結する事になりますが、そうした点を含めた社会的な余波や影響は一体何が考えられるでしょうか?

先ず、その影響として挙げさせて頂くと以下のようなものがあります。

①個人事業の法人化の促進
②租税の減収に伴う増税
③タックスヘイブン税制の見直しなど

先ず①の「個人事業の法人化の促進」ですが、これは法人税率を引き下げた場合、個人事業主の所得税の負担水準と比べて法人化した場合の方が租税水準が低くなる事であり、こうした面から個人事業の"法人化"が促進される可能性があります。

では次の②の「租税の減収に伴う増税」ですが、これは以下のような案が検討されています。それは先ず赤字法人への課税強化(外形標準課税の適用範囲拡大)と留保金への課税、また、たばこ税などに代表される他税目の増税など。

そしてもうひとつの項目である③の「タックスヘイブン税制の見直し」ですが、こちらは過去の是税制改正の経緯から、仮に日本の法人の実効税率が30%を切るような状況となった場合、軽課税国等の判定対象となる税負担率も同時に引き下げられるべきと考えられているとの事です。

もっとも、法人税引き下げのための財源を探しているような状況で、軽課税国等の判定の税負担率の引下げはなかなか難しいとは考えられますが、この税制の纏わるトリガー税率や課税対象の範囲等々、周辺規則の見直しが繋がる可能性があるのは妥当と言えるでしょう。

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