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国側は何故敗訴したのか?「IBM事件」を巡る考察

2ヶ月前の2月18日、最高裁判所は東京国税局(以下、"国側")が行なっていた上告受理申立てについて不受理決定を行い、課税処分を取り消した高裁判決が確定しました。

この事件の争点なったのは、米国のIBMの子会社である日本法人、日本IBM(以下、"IBM")の持ち株会社(以下、"HC")の間に起こった「連結納税」と「自社株売買」と言う部分です。元々、米国本社の100%子会社であったこのIBMの株式をHCは一旦"譲渡"という形で受けた後、今度は再びIBM自身にIBMに売却することを行いました。

HCにして見れば、当然このプロセスに対しては「損失」と言う形で計上(その額は4000億円)した訳ですが、問題視されたのはこの売買の対象となる2社と言うのは連結納税をする当事者であった事です。具体的にはHCは4000億円の赤字を計上することになり、IBM側が出している(通常業務から出ている)黒字解消の為にひと役買う形となった訳です。

こうしたやり方を目にした国側は「経済合理性」を盾にしてこの処理を否認しました。その理由は、HCは実体を有しているとは言い難いだけでなく、株式の売買も行う必要性もなく、また赤字づくりのために行ったものであるとしてこの4000億円の損を否認しました。

当然IBMやHC側はこれを不服として国側を提訴、最終的に最高裁判所は「HCはグループ内で資金を柔軟に移動させるなど、持ち株会社としての一定の機能があり、またペーパーカンパニーでもなく、しかも株の売買で赤字を作ったことについても、不合理、不自然とは言えず、事業目的のない行為をしたとは認められない」として国側の課税処分を取り消し、1200億円の法人税の還付を命じたという事です。

結果として今回の取消金額(税額)は1200億円とされており、興銀事件、武富士事件に続く大型国側敗訴事件となりました。そしてこれは、今後の日本の国税庁の方針や考え方を変える可能性のある大きな事件として記憶に残るものとなるかも知れません。

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