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アップルと言う企業を軸とした、米国と欧州の思惑

アップルの敷いた各国の税法の穴を掻い潜る特殊スキームと言うのは、国際税制の中で『ダブルアイリッシュウィズ・ア・ダッチサンドイッチ』と言う名称の付くほど有名なものです。これは同国が誇る有名国際企業、しかしながらフォードやGMなどの老舗企業達ではなく、『新興産業』に位置付けされる業界の雄(アップルやグーグル)が積極的に採用している節税対策です。

ではその第一の目的と言うのは何かと申しますと、彼等はこのスキームを、あくまで米国国内での稼ぎに対するものを対象とするのではなく、米国外のグループ企業が稼ぎ出す収益に対して的を絞っていると言う事が特徴です。事実としてアップルなどはアイルランドの低い法人税率などにBVIのグループ企業を絡ますことで税負担率を何と0.05%の水準まで(しかも合法的に)押し下げる事に成功していました。

しかしながらこれに噛み付いたのがEUの欧州委員会です。

同委員会はアイルランドとアップルを相手取ってこの優遇税制が"不当"とし、現時点では130億ユーロ(約1兆5千億円弱)の追徴課税を求める局面まで発展しております。ところがこの欧州委員会のスタンスに対して猛然と反撃したのは(アップルやアイルランドが抗議するのは当然の事ながら)意外にも米国政府であった事も興味深い事です。

何故なら現在の米国の税法上の措置では、『全世界課税』と謳いながらも、アップルが行ったようなスキームを利用するとこうした海外"滞留"している利益に課税する手立てがなくなり、挙句の果てにこの滞留利益を欧州側に"先取り"されてしまうような事態となると最終的に利益還流(海外子会社→米国本社)が成された際でも膨大な税収減に繋がってしまうからなのです。

こうした背景もある為、米国VS欧州の図式がこのアップルと言う企業を軸として計らずとも"炙り出される"形となってしまいました。

11月8日に決まる大統領選の候補者達(ヒラリー&トランプ)も内政重視を打ち出す流れの中、国際課税を巡る大国間でのやり取りも、今後より一層激しさを増す事になるのは必至です。

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