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租税回避を目的としている?!会計検査院の指摘対象となった富裕層の海外中古住宅投資

更新日:2016年11月21日

海外投資の手法の一つとして外国不動産に対する投資を行うことは以前から日本の様々な層で行われて来ました。中でも"富裕層"と考えられている方々は、こうした資産を国外にも多く所有しているとも見られており、今回はその中でも特に「中古住宅」に対するケースが国の機関のひとつである会計検査院から指摘をされたと言う訳です。

では一体、その報告書の内容と言うのはどのようなものであったのでしょうか?

① "検査対象"とした申告書から海外住宅投資は、米国と英国に対するものが4分の3を占めていた。 

② 海外住宅投資の対象物件は中古住宅であり、耐用年数の算定は日本の耐用年数省令に従って行っているところではあるが、日本国内の住宅投資における平均耐用年数は11年以上が大半であるのに対し、海外住宅投資における耐用年数は4年、7年、9年のものが多く、今回の検査対象の中では"4年"とするものが最も多かった(※中古資産の耐用年数は、経過期間により短縮することが可能)。

③ 住宅の新築から滅失までの期間は、日本では約32年とされているが、米国では66年、英国では80年とされており、日本では建築後20年を経過すると住宅価値は大きく低下するが、米国・英国では中古住宅と新築住宅の価格差額が小さい。

④ ②、③のことから、海外の中古住宅を取得することで多額の減価償却費を計上し、他の給与所得等と損益通算を行うことで、租税の回避を図っていた。これらの投資を行う者の中には、投資物件である中古州宅を売却している者もおり、多額の減価償却費を計上する結果(譲渡益自体は多額となるものの)、分離課税を選択して租税負担の軽減を図っていた。

⑤ さらに、海外住宅投資を行っている者の1割程度の者が、日本から出国して非居住者となっていた。


会計検査院の報告を受けて、近い将来のタイミングで財務省は税制改正要望を提出すると考えられます。しかしながら、今回の問題をどのように捉えるかによっては、改正の方向は異なることになるかも知れません。例えば、日本と米国・英国の住宅自体や慣習の違い(耐用年数など)の問題となるのか、或いは海外投資事業に係る損失を必要経費に算入することが問題なのかにより、改正の方向が異なることになるでしょう。

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