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ウェルスプランニングの際の信託設定についての考察2

更新日:2017年12月12日

前回はオフショア信託を設定することでそれが如何に資産保護に役立つのかをご紹介しました。今回はこうしたオフショア信託を使用している利用者の傾向や対国内相続税(贈与税)上における日本非居住者の得るメリットなどを中心に案内して参ります。

資産家にとって自身の資産を保護することは重責を伴う命題のひとつと言えます。しかしながら、一部の名家のように脈々と資産承継の系譜がある富裕層以外には、例えば事業の成功などで突然富裕層の仲間入りをしてしまうような層(New Rich)も決して少なくなく、こうした層にはそのノウハウが蓄積していない為、手痛い失敗をしてしまうようなことも少なくありません。


何れにしてもこうした方々がウェルスマネジメントを検討する背景や理由は様々ですが、利用者の傾向と言うのは以下のようなものが挙げられます。

1.一族の過去の事例に倣い、オフショアを利用したプランを活用する次世代
2.日本やアジア諸国などでビジネス展開をしている起業家
3.完全に国外に生活の拠点を移した(=移住)資産家


上記に共通する傾向性と言うのは先ずオフショアの資産や国際的な視野を何もが有している点や家族の長期に渡る利益確保を優先すると言う点などがあります。勿論、この中には既に非居住者となっている方々や、これから近い将来に非居住者となる方々の場合もあります。また、資産規模の視点で見るとおおよそ500万米ドル相当或いはそれ以上の額を有していると言う点も挙げられます。

前回でもご説明させて頂きましたが、「信託」をこうした方々のウェルスプランニングに組み込んで行くことは非常に有効な手段です。

何故なら、受益者(Beneficiaries/ベネフィシャリー)となる方々は往々にして富の分配を"待つ"側となる傾向が強く、富を創った側である委託者からすると、(自分の築き上げた富を)一旦自由にさせてしまったら最後、あっと言う間に浪費されてしまうことも可能性としては存在するものですし、富があると分かったらそこにある種の"甘え"が生じるなどして一族の長きに渡る努力が水泡してしまうこともあり得ます。

信託では子供や孫、その他の親族のみならず、場合によっては非家族となる方々に対してすら様々な需要(生活費や教育・医療費など)に資金提供が可能となります。例えば一定の額を毎年受益者が受け取れるように設定したり、一定の年齢や条件に合致した際、まとまった金額を分配する等々、事前設定によって柔軟かつ健全な運営が出来るのです。

更に信託の中でも今回のテーマである「オフショア信託」となる場合は、課税上の視点からも有効となる側面を有しています。一例として具体的に挙げると、日本の相続税と贈与税対策としての利用です。

日本では相続税や贈与税に関する課税範囲を算定する際、贈与側と受益側双方の人間の住んでいるところ、即ち「住所」が非常に重要になります。住所判定の際に参考とされる点はその者の居住地、就労場所、そして所有する資産や不動産の場所などがあり、これらを国内外で区分けをし、国外資産分をオフショア信託の管理下に置くことでそれだけは課税対象とならないようなスキームも構築出来得る可能性があるのです。

勿論、それを可能にするのは贈与側と受益側が共に国外在住10年超(2017年4月1日以前では5年)と言う条件を突破しなくてはならない前提があるので簡単なことではありませんが、該当の可能性がある層にとっては極めて魅力的な合法手段のひとつと考えても良いプランであることは間違いありません。

この信託と似たようなスキームには財団法人と言う手もありますが、こちらに関してはまた別の機会にご案内出来ればと思います。

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