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「選択課税の適用」を利用して還付を受ける?〜海外勤務期間中に退職金を受け取る場合〜

更新日:2018年01月22日

海外、例えば中国に赴任させた駐在員がその勤務中に退職となってしまうような場合、その中国勤務中の社員に対して支給する退職金については、国内勤務期間に対応する金額(国内源泉所得)の部分の支払時に20%の税率によって所得税を源泉徴収する必要があります。

こうして源泉徴収されてしまうと、この駐在社員は"居住者"として本来受ける筈であった退職金を受けた場合と比較するとより一層高い所得税の負担を強いられる場合が発生してしまいます(何故なら居住者として退職金を受けると「退職所得」として取り扱いされる為、相対的に税負担が軽減されるからです)。

そこで退職金の支払のタイミングがたまたま駐在時に重なってしまうような該当者は、それそのものが高い税金負担を強いられる形になると言う不条理ゆえ、その解消方法として納税者の選択により、あくまで(居住者として)退職金を支給されたと見なして確定申告を行い20%の税率で源泉徴収されてしまった税額との差額を還付して貰うことができます。

これを「選択課税」と言っています。

では日本国内での取り扱いは上記の通りだとしても、実際に駐在をされている先(例:中国)ではどうなるのでしょうか?

先ずその選定をする際には、考え方としてその者がどの程度の期間を中国で過ごしているか?がポイントになります。仮にその駐在員の退職時までの滞在期間が5年以内であるとするのであれば、中国国外から支払われた所得についての課税は対象とはならず、結果、放免されることになります。

しかしながら、居住期間が5年を超えるとなると、ロジックとしては退職金全額が中国での課税対象となりますので注意をしておかなくてはなりません。

以下はその定義となります。
1.中国での居住期間:1年以上5年以内
退職金の内、中国国内源泉の所得に該当する部分が課税対象
2.中国での居住期間:5年超
中国国内・国外問わず退職金全額が課税対象


では現実的な取り扱いとして5年超となってしまった駐在者が、自身の退職金全額を対象として中国で納税を行なっているのでしょうか?実例ベースで申し上げるとそうしたケースは(今までのところ)"殆ど無い"と言うのが現状です。実際、中国当局側もそこまで徴求を行うことに執着している訳ではありませんので今のところ、この部分については無罪放免に近い状況ではあります。

しかしながら、場合によってはある日突然、「外国人の退職金に関わる取り扱い」などと言う形の通達が発行される可能性も無きにしもあらず、会社としてはそうした意識を常に持ちながら海外駐在時退職社員に対する備えを行なって置くことは肝要かも知れません。

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