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どちらで課税される?海外子会社合併時の課税について

更新日:2018年04月24日

中国や米国等の大きな市場では機能別として生産拠点や販売拠点を分けて設立し運営している会社が多数あります。この傾向は日系企業だけでなく、様々な国の企業に置いても同様のものですが、こうした海外子会社を何らかの目的で合併を行った場合、先ず考えなくてはならないことと言うのは一体どう言ったことでしょうか

それは、海外子会社同士を再編する時の対外的な商流のことであったり社内業務のスムーズな移管手続きではあるのですが、同時にそれらと並行して重要なことと言うのは、国内外に発生する税務対策です。


実は往々にして"対策漏れ"が起こる箇所と言うのは、海外進出先側なのではなく、むしろ本社がある国内税法であると言うと意外に思われる方がいらっしゃるかも知れません。海外で子会社再編を行った場合の現地での課税関係はと言うと、国によって様々ではありますが、誤解を恐れずに言うと以下のような取り扱いが多いのではないかと思われます。

1. 組織再編取引は原則的に現地で課税されるものの、
2. 一定の要件を満たした場合には非課税或いは課税の繰り延べとな


例えば、中国における企業再編税制と言うのは、1の原則的な取り扱いとしての「一般税務処理」と、2の要件にある日本の適格組織再編に該当する「特殊税務処理」に分かれることになります。

1で一般税務処理となる場合には、被合併企業は資産・負債を時価譲渡し、その結果生じた所得に対して課税され、被合併企業の株主(日本親会社)に対しても株主課税が行われます。

一方、2の特殊税務処理の要件を満たす場合には、基本的には課税の繰り延べが可能となります。



では、一方で日本では課税はされるのでしょうか?
海外子会社同士の再編が行われた場合、日本親会社は日本における課税関係を検討する必要があります。

以下の図をご覧下さい。


何故、日本における課税関係を検討する必要があるのかと言うと、上図のような場合、日本親会社の持つB社株式が、A社株式に振り替わる為、丁度、A社株式を対価としてB社株式を譲渡したのと同じ形になっている為です。


これで日本親会社では、この合併が「適格合併」と「非適格合併」の何れかに該当するかを判断して行かなくてはなりません。この検討の結果として仮に「適格合併」であるとすれば日本の親会社に課税関係は生じず、逆に「非適格」であるとするならば、親会社に課税が発生する可能性があることになるので注意が必要です。



ここで重要になる論点は、この検討が、あくまで日本国内の税法に基づいて行われると言う事です。


極論を展開すると、仮に現地税法上の合併の取り扱いが「非課税合併」に該当したとしても、原則としてその判断は影響を与えないこととなり、日本で、日本の税法に従い、再度適格性の判定をしなければならないと言う事なのです。

以上、色々と面倒ではある流れですが、ここで甘い判断を行おうものなら、税務局からの指摘は免れないことになるので確りとした手順と理論武装出来る理由の構築は不可欠であると言う事を理解して置く必要があるでしょう。

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