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高速鉄道が変えて行く、香港と中国の「風景」

更新日:2018年10月02日

2018年9月23日、香港は中国との一大プロジェクトのひとつである広深港高速鉄道の開通を世界に対して宣言することとなりました。

この広深港高速鉄、英語表記としてはGuangzhou-Shenzhen-Hong Kong Express Rail Likeとされていますが、その概要は以下の様な形になっています。

深センー香港:所要時間 14分
広州―香港:所要時間 47分
運行本数:(香港側)平日 70往復
席種:<4種>2等、1等、特等、商務

この広深港高速鉄道は外観を大きく分けると中国本側と香港側の2つになっており、中国本土側は広州〜深セン(福田)間の106Km、そして香港側の26Kmの区間となります。この間を埋める駅の数は7駅であり、出発を広州南駅とした場合、終点の香港(西九龍駅)までの間は、慶盛駅、虎門駅、光明城駅、深圳北駅(新深圳駅)、福田駅となっています。

またこの路線は北京や上海など中国各地の44駅と直結していると言う点も中国のインフラ構築の意欲の表れと言っても良いでしょう。

それ以外の特徴としては、この鉄道の最高速が350Kmに到達するなどがありますが、乗車の際にはこの電車の辿るルートがボーダーを潜る前提である為、『国際列車』に準ずると言う解釈でイミグレを通過することが義務付けられているので利用される方にとっては忘れてはならないことです。

さて、ハード関連の概要説明はここで止めるとして、この広深港高速鉄道が今後演じて行く役割というものは一体何でしょうか?ご存知無い方も少なくないとは思いますが、今、中国は国家プロジェクトの一環として「一帯一路」を推進しています。

このプロジェクトは中国の威信をかけたプロジェクトであり、決して失敗が許されないものですが、その大きな渦の中における香港の意味合いと言うものはどういうものなのでしょう?


対中と言う視点で香港のポジションと言うものは決して楽観視出来ないところまで追い詰められているのが実情です。香港の対中に於けるGDP比率は1994年に記録した24%をピークとして年々降下を続けており、2017年度は遂に3%を切るに至りました(2.9%)。

つまりこれは逆に言うと、今の中国にとっては経済的かつ政治的に"香港の影響力"は殆ど無いに等しく、その気になれば一気に吹き飛ばしてしまっても良いような、そんな存在に成り下げてしまっている位置つけなのです。

とは言え、香港は対外的には東(アジア)と西(アメリカ、イギリスを筆頭とした欧米)の接点たるべき場所(マーケット)ですし、外国から中国進出を検討するには打ってつけの環境と経験を備えている部分はありますので香港の上層部はこの"世界最大の消費大国"として存在する中国を存分に利用することで香港のプレゼンスを向上させる手を積極的に打ち始めたと言う訳です。

その一環が今回の広深港高速鉄道であり、港珠澳大橋を含めた大湾地区(香港、マカオ他、9つの広東省都市を巻き込んだ経済圏)としての「一帯一路」への関わりとなるのです。

今後、10年を経過すると仮定した場合、今日でのこの試みが香港と中国の融合の深度を加速するようなことであったと振り返る形になるのは濃厚でしょう。果たして香港が「海のシルクロード」を演出する中国の"旗頭"になれるのかどうか、乞うご期待です。

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