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タックスヘイブン税制変更点が企業に要求して来るポイント

例年この時期になると税務業界は色めき立つ時期へと入って参ります。その理由は国税庁から次年度(会計年度で言う次年度)の方針を反映した税制大綱が発表されるからですが、本稿では今年の4月1日の事業年度から適用とされる税制改正の内、特に大きな改正が成されたとされる国際税務分野、それも香港などの軽課税地域・国に進出されている企業様に直接インパクトがあるであろうタックスヘイブン税制の変更点をご紹介します。


〇 タックスヘイブン税制の改正
(1)対象外国法人の判定に係る出資関係の変更
これまで、このタックスヘイブン税制での条件は主に親会社となる内国法人からの出資割合が50%超の外国子会社等が対象とされていました。この出資比率は、孫会社やひ孫会社の場合には、掛け算方式によっていましたが、今回の改正により、50%超の連鎖関係によることとされました。

具体的な事例を挙げさせて頂くと、以前は日本法人が80%出資する外国子法人がさらに外国孫法人に60%出資している場合には、改正前では80%×60%=48%と50%未満となる為このタックスヘイブン税制の対象外とされていましたが、改正後はそれぞれの出資が50%超の連鎖関係となっていますので、タックスヘイブン税制の対象となると言う事です。


(2) 実質支配基準の導入
日本の法人が対象外国法人の残余財産のほぼ全部を請求できるような関係等がある場合もこのタックスヘイブン税制の対象とされることになりました。


(3) ぺーパーカンパニー、投資目的外国法人(別名「キャッシュボックス」といいます)等に対するタックスヘイブン税制の適用拡大
出資が50%超の連鎖関係にある外国法人(以下「特定外国関係法人」といいます)についてはこの改正から租税負担割合が30%未満である場合であってもタックスヘイブン税制の適用対象とされることになりました。

<対象となる会社形態>
1.ペーパーカンパニー
2.キャッシュボックス

上記の会社形態の会社で総資産の額に占める受動的所得((4)の受動的所得のうち異常所得を除く所得の合計額)の金額の割合が30%超、かつ、総資産の額に占める有価証券等(受動的所得を生じさせる資産)の合計額の割合が50%超となる外国法人が対象となります。

3.ブラック・リスト国に所在する外国法人
ブラック・リスト国とは、情報交換に関する国際的取り組みへの協力が著しく不十分な国または地域をいい、財務大臣が指定し告示することとされていますが、現在のところ具体的な国名などの告示はされておりません。


(4) 部分合算対象所得(受動的所得)の改正
1.配当
改正前 出資比率が10%未満の出資に係る剰余金の配当等
改正後 出資比率が25%未満の出資に係る剰余金の配当等

2.利子
改正前 債権の利子および債権の償還差益
改正後 受取利息

3.有価証券の貸付料
改正により追加

4.資産の貸付
改正前 船舶・航空機の貸付
改正後 固定資産の貸付(本店所在地国で使用される場合等を除く。)

5.使用料
改正前 特許権等
改正後 無形資産等の使用料(自己開発等一定のものを除く。)

6.有価証券等の譲渡等
改正前 出資比率が10%未満の株式等の譲渡益、債権の譲渡益
改正後
有価証券の譲渡益(出資比率が25%以上の株式等の譲渡益を除く。)
デリバティブ取引損益(ヘッジ目的を除く)
外国為替差損益
金融資産から生じる前期以外の所得(ヘッジ目的を除く)

7.異常所得
改正により追加。
「異常所得」とは資産、人件費、減価償却費の裏付けのない所得をいいます。


以上、こうしたことが今回の改正点の主要ポイントとなりますが、この改正は、BEPS(税源浸食と利益移転)に基づくものと考えられており特定外国関係法人に該当する場合には、いわゆる軽課税国以外であってもタックスヘイブン税制の対象となりますので、十分な注意が必要です。

もっとも、総資産に占める受動的所得の割合が30%超である法人は、かなり少ないと考えられますが、多額の有価証券譲渡益等が生じるような場合には、事前に対策を検討しておく必要があるでしょう。

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