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香港法人・オフショア法人設立お役立ち情報

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「ノミニー」を立てる意味とその効能とは?

「ノミニー」と言う言葉は英語で"Nominee"と表し、その意味は「名義代理人」のことを意味します。これは(何らかの事情や意図で)出資株主となる方が自分の名前を法人の登記記録の中から意図的に"消してしまう"(=表面に出て来ない)ことを希望して手続を行なうと言う法人設立の一形態です。

香港やシンガポールと言う場所は以前からこうした形で法人設立が出来る地域(国)であり、各国のオンショア税務局からは違法スレスレの法人ばかりが集まる温床とすら揶揄されて来た経緯などがあります。では実際にこのノミニーを立てることにどのようなメリットやデメリットがあるものなのでしょうか?

活用上のメリット:
1. 実際の株主は自身のプライバシーを保護することが可能となる
2. 香港の会社法上の取締役香港居住者の要件を満たすことが出来る
3. 名義代理人へサイン権限を委譲したり、事務委託を行うことができるので事務等の負担が少なくなる

活用上のデメリット
1. 金融機関での口座開設の際の手続と要求される提出書類の内容が広く深くなること
2. 地域・国によっては口座開設そのものの受付をされていない場合がある

こうしたメリット・デメリットについては深慮を持ち効果的な対処をして行かなくてはなりませんが、ではこのノミニー制度関連の法令上の注意点と言うのは一体どのようなものがあるのでしょうか?

先ず代表的なものからご紹介差し上げると、2018年3月に導入された2018年改訂の会社法(香港法第622章)の部分があります。

これは直接的は言うに及ばず、それが例え間接的であったとしても株式の保有状況が25%超となる実質的な支配者(Significant Controller)がいた場合、その者を特定する努力義務が定められ、結果、氏名・コンタクト先などの情報の開示・登録が義務付けられました。その為、ノミニー制度による実質的な株主のプライバシー保護が従前のものよりもかなり限定的に変化したことが特徴として挙げられます。

また、銀行法(香港法第155章)と資金洗浄・テロ資金供与対策法(香港法第615章)によって、香港の銀行にて法人口座を開設する時にはその法人の全Directorや実質的な真の株主の情報及びノミニーとなる名義代理人との関係を説明する情報の開示が義務付けられることになった為、ノミニーそのものを立てる意味合いが相当薄まってしまったのは否めません。

更にそれら以外にもGuideline of Trust Company Services Provider(TCSP)によると、ノミニー業務はこのTCSP免許制度と一体となったが故に、実質的株主の情報自体がこれで事実上、当局の監視下に置かれることになってしまったと言う点も見逃せません。

以上、それらの様々な"包囲網"が整備されることで半ば"機能不全"を起こす形となってしまっているこのノミニー制度。時代の要請とは言え、一抹の寂しさを感じずには居られないと言うのも決して大袈裟な表現ではなく、オフショアセンターの面白味をデリート(消去)してしまう内容のものと形容する向きもあります。

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