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高過ぎる住宅価格、国際金融センター香港の"ボトルネック"

更新日:2019年04月22日

世界中の主要都市を広く見渡しても香港の"住宅周りの話"以上に厳しい環境である場所は稀れであると言っても過言では無いでしょう。この程、米国の不動産投資サービス会社であるCBREが発表した「個人住宅市場」に関する調査レポートの中で、香港はその平均住宅価格と言う比較軸に置いて、世界最高の金額水準であることが改めて証明されることとなりました。

このレポートによると、香港は1sq.(スクエアフィート)あたりの値段と言うのが16,300香港ドル(邦貨:約23万2,000円)であり、その平均面積は591スクエアフィートとのことです。つまり「平均住宅価格」をこの数値で割り出して行くと(HKD16,300 x 591sq.=HKD9,633,300)、つまり値段としては963万(香港ドル)以上まで膨れ上がることになります。

そしてこの価格の比較では前年度対比5.5%増と言うトレンドであり、増加現象が依然として継続している状況下でもあるのです。まさにこれは"異常値"としか形容しようがありません。結果、この平均住宅価格と言うのは(中国への返還の年度となった1997年の値段と比較しても)約2倍まで上昇することとなってしまっているのです。

また、「賃貸」と言う視点でも香港は容赦が有りません。何故なら賃貸住宅の平均価格と言うのが2万1,800香港ドル(邦貨:約31万1,000円)と平均値が2万ドル超えとなっている為であり、通常の一般市民が得る所得水準では到底捻出出来るようなものでは無いと言うのが実態です。

この異常な高額水準はセクターとして「高級住宅」を切り取って比較しても際立ちます。例えば同じ中国の主要都市のひとつである上海のそれと比較した場合でも、香港は実に上海の値段水準の3倍近くまで跳ね上がってしまうと言うものなのです。つまり、言い方を変えると香港でこうした高級物件をひとつ買うお金があるのであれば、上海では同等の物件を約3件ほど購入出来る計算となる訳です。

こうした調査レポートの結果を発表したCBREは、その結びとしてこの香港市場を「地球上でもっとも不動産を取得するのが難しい市場」と称しているのも当然のことと言えるでしょう。

香港理工大学の建築学部教授によると、こうした市場トレンドに楔を打ち込むような形で仮に香港政府が「空置税」(=空室期間が一定期間ある場合に課税すると言う税金)と言った課税項目を設置・導入するようなことがあった場合、大局的には価格の上昇率は抑制する結果を創出出来ることになるだろうとの見方を持ちつつも、逆に導入までの期間に置いて(現在の価格から)更に5〜10%程度の値上がりをすることは間違無いとの見解を示しています。

最後ではありますが、本稿の主題であるこの「平均住宅価格」の順位と言うのは香港が上述の通り、963万香港ドルで世界ナンバーワン、そして2位はシンガポールの682万香港ドル(邦貨:約9,740万円)とのことです。

共に世界で国際金融面でのサービスで鎬を削るライバル同士ではありますが、こと「平均住宅価格」と言う視点での比較ですと1位と2位の間の乖離は40%以上も違うと言うものとなりますので、居住すると言う面での効率性では完全にシンガポール側に軍配が上がる形になるのは否めません。

中国からのニューマネーが香港に流れ込んで早10年超・・・、住宅価格を下げるに下げられないと言うのがこの自由都市、香港が抱えるひとつの"ボトルネック"であることはどうやら間違い無いようです。

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