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『新しい枠組み』でより上場が身近に?香港上場市場の挑戦

更新日:2019年05月24日

例えば(外国企業ではなく)日本企業が株式公開を決定した場合、上場する市場として自然な選択肢と言うのは勿論国内の株式市場となるでしょう。

既に「大企業」と言えるような規模の会社であればいきなり東証1部もあり得る形ですし、また一定の売上と利益が出ている中堅企業の規模であるならば第2部、更には設立後数年の新興企業や成長企業であればマザーズ市場等を目指すのが普通の流れです。


近年、こうした国内の上場市場だけでなく、調達の"幅"を持たせる意味においても外国での上場に関心を向ける企業の数が多くなって参りました。彼等の選択肢の中に入る市場と言うのは、それまでの定石マーケットであった米国のような"遠方"にある市場ではなく、アジア、それも日本人にとっては親近感がある香港やシンガポールと言う金融センターに軸足が徐々に変わりつつあります。

香港は東京と比較した場合、外国企業の上場数や取引所の時価総額に占める外国企業株式の時価総額比率、また市場に参加する証券会社・機関投資家等の質、数、多様性、また競争力を加速させる各種税率の低さ、更には明瞭性や(言語を含めた)柔軟性等の点で凌駕しており、こうした様々な面が外国の投資家の関心を惹いている要因となっている訳です。


こういう"香港礼賛"の話ばかりを行うと、一部では香港が"中国化"していることを一つの材料として攻撃をする層も確かに存在はしますが、そうは言っても香港の支柱であるルール=法律と言う観点から改めて見て行くと英国法に準拠した基本法が脈々と流れているのは事実であり、今後の処方についてはもっと公正に判断する必要があると言っても良いのではないでしょうか。


また会計制度などの面で見たとしても、香港GAAPだけでなく国際会計基準(IFERS)及び米国GAAPを採用することも可能であることを忘れてはなりません。


そんな環境下の中で運営される上場市場は香港経済の観点からも大きな魅力のひとつと言えます。


実際、上場した暁には起債額をとっても2016年には新規上場による資金調達額が世界ナンバーワンになったことでも分かるように、上場基準をクリア=相当のキャッシュを企業側は得ることが期待できる、と同然の意味合いを強くしています。また、これに畳みかけるように更なる手を打つことが香港証券取引から2017年に発表されたのは記憶に新しい方々もいるのではないでしょうか。


その内容と言うのは元々香港市場が抱えていた"弱点"の部分の補完と言えるものであり、それらは具体的には以下のような領域(産業)の企業の調達を後押しする内容となっています。


■バイオテック企業やニューエコノミー企業の上場奨励
ひと言で言うと、これらを加えるに至る背景(動機)と言うのは、アメリカ等の市場で一大勢力となっている産業(=ニューエコノミー)の上場ケースが香港は著しく少なかったと言うことに尽きます。

事例としては"同胞"ともいえるAlibabaの上場要求に当時(2014年)の香港証券取引所は対応出来なかったと言う苦い思い出が込められていることも忘れてはなりません。その後、上場制限などの撤廃や緩和策を導入することで現在ではテック企業達がこぞって香港証券取引所に集押し寄せて来ると言う流れを作りました。

直近ではセルフィ―アプリのMeituが過去10年で最大規模となるIPOを実現したことを機として最近ではPCゲームブランドのRazerやTencent傘下で電子書籍サービス企業のひとつであるChina Publishingと言ったところも香港での上場を示唆しています。


またバイオテック企業については以下のような上場規則を加えています。

現状の上場時における(1)利益基準、(2)時価総額/売上高基準、または(3)時価総額/売上高/キャッシュフロー基準3つの財務要件を満たさなくても、上場時に一定の時価総額(15億香港ドル(約225億円)以上)、同一マネジメントにおける事業の継続性(最低2年間)などの条件を満たす場合、創業期で売上がないあるいは赤字であるバイオテック企業でもメインボードへの上場が認められる、と言うものです。


以上、これらの点を鑑みて行くと、今後(上場の)可能性のある企業については理想的な立地を備えた場所が「香港」と言うことになって行くと言っても大袈裟ではない為、今後の市場動向には注目に値する動きと言えるでしょう。

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