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「人工島建設」が香港の選ぶ、人口問題に対する回答

昨年の話となりますが、香港のトップであるキャリー・ラム行政長官が香港の離島のひとつであるランタオ島東部に「Lantau Tomorrow Vision」(=ランタオ島・トゥモロービジョン)と称する巨大な人工島の建設をすると発表しました。

その大きさはニューヨークのセントラルパークの約5倍に達するとのことで、これは香港にとって、先に完成した香港澳門珠海大橋すら上回る史上最大の大型プロジェクトとなることになります。


香港がこうした人工島プロジェクトを推進せざるを得なくなった背景と言うのは、長い間の懸案であった住宅難が近年では更に深刻度を増して来ており今まで以上に大きな社会問題となって来ているからです。従って今回のラム行政長官の発表と言うのは、その解決の為の手段を市民に告知し推進して行くと言う決意の表れと捉えられています。


さて、プロジェクト概要を説明して行くと、この「人工島」の立地場所は香港島の西方に浮かぶ香港最大の島・ランタオ島周辺に4,200エーカーほどの面積の埋め立てを行うと言う前提で進められています。プロジェクト費用については現時点では未定とされていますが、建設業界等の試算によると恐らく638億ドル(約7兆円)程度かかるのではないかと見られています。


既に世界的にも"悪評"が鳴り響いている通り、香港の住宅価格と言うのは尋常な範疇には収まりません。事実として8年連続で世界最高額とされており、平均価格は1平方フィート当たり約1,400ドル(約15万7,000円)もすると考えられています。また住宅の面積と言うのも世界最小レベルであり、集合住宅の平均面積はたった484平方フィート(約45㎡)しかありません。


上記のような状況の根本的な問題と言うのは香港の地形的な特徴に起因します。香港は平地が極端に少なく、その多くの部分は山に取り囲まれている為新たに開発できる土地も少ないと言う環境であり、その為ここに住む地場の人間にとっては最小のロットを最大の出費で支払うしか手段がありません。よって経済的に恵まれない層や若年層等にとっては「マイホーム」と言うものは"夢のまた夢"と言った具合なのです。


こうした状況の改善を促す為に、この「人工島」のプロジェクトがスタートした訳ですが、ここが政府の思惑通りに機能して行くと、将来的には26万〜40万戸の住宅供給が可能となるとのことで今現在の人口の約15%に当たる70万〜110万人の人々が(試算上では)居住出来ることになります。

また香港は「埋め立て」と言う工事についても既に豊富に経験済みで、実績として現時点まででもかなりの比率でその面積作りを行なっています(香港の土地の約6%は埋め立て地)。


つまり、この「人工島」の設置にしても技術的には全く問題はないのです。


しかしながら、環境面からは(周囲に)多大な影響を与える可能性があることが指摘されているのも事実です。世界自然保護基金(WWF)は、香港の埋め立て地プロジェクトは「住宅問題解決の最終手段」との見解を示してはおりますが、プロジェクトを進める前に自然保護専門家の意見を取り入れるよう勧告しているとのことです。

またこれだけでなく、気候変動によって洪水が起こる可能性も無視できない要素のひとつと考えられていることや 海面上昇に対応したインフラ構築を行う為、プロジェクト自体のコストが倍増する可能性もあるとのことです。


このように様々な難問が前面に横たわるプロジェクトではありますが2032年のオープンには今迄に無いような熱狂を持って迎えられることは間違いないようです。何故なら今申請を行っても既に"5年待ち"という状況であることが、何よりもそれを端的に表す指標とも言えるからです。何れにしても、この顛末に注目して行きましょう。

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