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潮目が変わる結果を導き出せるか?米国が可決した「香港人権・民主主義法案」の影響の度合い

更新日:2019年11月30日

香港は英国統治時代のお蔭で金融立国(香港は"国"ではありませんが、敢えてここではそのように表記します)としての揺るぎない地位を確立したのと同時に、西欧式の考えや風習、そして彼等とコミュニケーションが取れる武器(英語)を体得した特殊国です。

中国にとっては、勿論その気になればいつでも武力行使するなどして潰してしまえるところではありますが、香港は西側と自分達の大きな接点(ハブ)であり、また世界中の国から投資が集まるこの地域を自国の勝手な事情や短絡的な判断等(=我侭)で潰してしまうと国際社会での面子が丸潰れになるだけでなく、香港をベースに商売を行っている外国企業と資本の流出が発生してしまう可能性がある為、いつものような、自国内でやっているような"横暴"(?)が許されないと言う背景が存在します。

こうしたこともあってデモ隊と警察側の膠着が続いている香港ではありますが、米中貿易戦争の余波なのでしょうか、11月19日に米議会上院が(先の10月15日に米議会下院で可決されていた「香港人権・民主主義法案」を全会一致で可決することとなりました。


では、この「香港人権・民主主義法案」と言うのは一体何でしょう?


これは、以下の通りの定義付けとなっています。

①    香港における民主主義、人権、及び高度な自治権が維持されている⇒故に米国との間にある待遇は中国と一線を画すものとする

②    制定後、90日以内及び2023年までの毎年、香港における米国の利益に関する条件についての報告書を含んでおり、この報告書は香港の民主的制度の動向を含むものとなる

③    大統領は、香港の特定の書店、ジャーナリストに対して監視、拉致、拘禁、強制告白を行った責任者を明らかにすること。また、基本的自由を抑制させる行動を行ったものに対しては、その者の合衆国における資産の凍結、また米国への参入を拒否する

④    2014年に香港に居住したビザ申請者は、香港の選挙に関する非暴力的な抗議活動に参加したとして逮捕されたり、拘留されたり、その他の不利となる政府の措置を受けたことがあっても、それを理由にビザを拒否されることがないものとする


この香港人権・民主主義法案の骨子と言うのは返還5年前の1992年、時の米国と香港の間で締結された「米国-香港政策法」が原型となっています。上記の定義の通り、返還後に香港が暴力を用いられたり、問題が適切かつ人道的に対処されなかったりしたような場合、米国が香港に与えている"特別措置"を失ってしまうと言うものなのです(この"特別措置"の一例を挙げると中国には与えられていない関税や貿易ゾーンを(香港が)米国との取引で持っていると言うものです)。

また、それ以上にインパクトを与える形となるのは中国が持っている米国資産が、仮に香港経由で獲得していたものだとすると、差し押さえられてしまう可能性が出て来ることもあります。

トランプ大統領はこの法案について拒否権を所有しており、現時点では是か非かの判断を行っていませんが、これが政治カードとして使用されるとなると、中国側へのダメージは小さくはなくなる可能性を含んでいます。


米国からのこうした"援護射撃"で果たして香港デモの潮目が変わる一撃となるかどうか・・・、状況を見守って行く必要が出て参りました。

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