香港行政長官の“変遷”から見えて来るもの
1997年7月、香港は旧宗主国である英国から新しい宗主国となる中国へと返還されましたが、その返還と同時にこの地は一国二制度の一翼を担う意味で“特別行政区“と名付けられることになります。その意味はこの地域だけに中国国内のものとは一線を画す“自治権“が与えられることとなり、その大義のもとで、この特別行政区を運営するトップ=『行政長官』が生まれることになりました。
この行政長官の任期は5年となり、一度だけ再任することが出来ます(即ち、合計で最大10年までの任期)。現在の行政長官である林鄭月娥(Carrie Lam)氏は数えて4代目となりますが、前任者である梁振英(Leung Chun-Ying)氏以降、香港はその“自治権“を保持していると言う状況とは言い難いものとなりました。そもそも最初からこの香港の行政長官の選挙と言うのは構造上奇妙なものであり、このタスクの手綱を握っていた存在と言うのは常に北京サイドであったのは事実です。つまり、中国側の最終的な承認なしにはあり得ないものであったが為に市民の間では本当の意味での民主主義を体現する「普通選挙」への要求が切実だった訳ですが、デモが発生した2014年以降、むしろ時代は逆行の道を辿ることとなったのはご存知の通りです。
以上、本稿では、この行政長官選挙に関する基本構造を改めてご案内し、また短いながらも歴史を紐解いて行くことで当地の“政治“具合がどうであったのかを考察します。
詳しくはCCM香港HP
【最早“レームダック“?
↓ブログ村参加してます。応援よろしくお願いします!↓
関連記事
-
-
KYCとAML、仮想通貨を取り囲む各種の整備
“仮想通貨元年“と言われた2017年、特に後半期の金融市場はBitcoinを中心 …
-
-
香港の国際競争力の“低下”について
スイスのビジネススクールであるIMD(国際経済開発研究所)は毎年、世界中の国々( …
-
-
ここ数年から見る香港の将来
1997年に返還されて以来、香港は中国に対して一定の独立性の維持を約束されながら …
-
-
支店として海外に進出する場合に留意しなくてはならない事
海外進出を検討されている企業は、一定の市場リサーチなどを終えた後に進出方法を決定 …
-
-
「納税管理人」の概要と手続きについて
駐在を行うとそれなりの期間、日本の制度の諸々から離れることを意味します。その期間 …
-
-
刷新される香港ID
日本の方々にとってはパスポートの他に自分自身のことを他人に証明する書類として一般 …
-
-
香港の構造変化が目指すものと言うのは一体何なのか?
現在までの香港の経済状況と言うのは、方々から流れて来るデータや情報を加味すると、 …
-
-
オフショアセンター比較、香港かそれともシンガポールか?
海外進出にはそれぞれの目的があり、それらによって進出先国が変わるのは当たり前のこ …
-
-
香港新会社法
■概要 すべての香港法人が運営していくための法律根拠となる香港会社法(香港法第3 …
-
-
香港を巡って激突する中国と英国
先月(6月)のほぼ1か月をかけて世界中に衝撃を与えた香港政府による『逃亡犯条例』 …
- PREV
- 香港の主権を巡る欧米と中国の“せめぎ合い“
- NEXT
- 新しい局面を迎えた、香港のコロナ禍対策
