「香港国家安全維持法」から「国家安全条例」にアップグレードする香港の管理
既にご存知の通り、2020年6月以降、香港は“それまでの香港“とは別れを告げ、宗主国である中国が敷いた“新しい“ステイタスを纏うことになりました。それは、北京が香港に対して設けた「香港国家安全維持法」を正式に当地に施行させることとなったからです。この法案が与えた政治・経済的なインパクトと言うのはやはり大方の予想通り、国内外に大きな動揺や不安を掻き立てることとなり、香港が掲げる“自由社会“に暗い影を与えてしまうものとなったのは、それ以後の経緯を辿れば一目瞭然となったと言えるでしょう。
結果、統制のプロセスの中でそれまで“民主派“に位置付けられていたような議員や政治論争になった際に活躍した政治活動家、或いはオピニオンリーダー的役割で紙面を通して社会に主張を発信していた新聞社と言った存在は表舞台から姿を消すことになり(例:落選や政治犯として指名手配、逮捕等)、同時に経済界では(香港進出をしていた)外国企業が事業規模の縮小や撤退を検討或いは実施を行う等々…この法案適用以降は大幅なイメージダウンに繋がるものが断続的に出て来てしまうこととなりました。
そんな中でこの1月30日、香港政府はこの「香港国家安全維持法」を“更に強化する”と言う目的で、「国家安全条例」なるものの制定作業を始めることを正式に発表しました。
果たしてこの条例が一体どのようなものであるのか?また従来の法案である「香港国家安全維持法」との関連は如何程のものになるのか?更にはその条例制定が完備するタイミングと言うのは一体何時頃を目指しているのか?等々…、今回のBlogでは今後物議を醸し出すことになるであろう本条例に関する概要をご案内して行くことにします。
詳しくはCCM香港HP
【“新しい犯罪“を防御する?香港の「
関連記事
-
今後の香港ビジネスの描き方
昨今の香港情勢を鑑みると、企業の経営サイドとして判断に困難を伴うと見るのが一般的 …
-
香港の空気質指数をみてみよう
香港は空が霞んでいる日も多く、スカッ!と晴れて青空や夜景がきれいに見える日は少な …
-
海外絡みの「M&A」別、税務論点を考える【コーヒーブレイク】
良く企業が業績を維持する際に使用する方法というのは、「M&A」と言われています。 …
-
香港行政長官の“変遷”から見えて来るもの
1997年7月、香港は旧宗主国である英国から新しい宗主国となる中国へと返還されま …
-
主権は一体どちらに?香港を巡る中国と英国の解釈と立場
「物の見方」と言うものは多くのケースにおいてとても多面的になり、論議の的(マト) …
-
中国で確定申告は必要か?
税金を支払う季節になって来ると、この手の質問が当社にもお客様から来る事が多くなっ …
-
日本のように変化する?香港の環境問題事情
日本は世界でも最も清潔な国のひとつであることは今や誰もが認める日本の強力なセール …
-
香港で高級車や電気自動車を良く見る訳
香港を観光されると一部の観察力が鋭い方の中には香港の道路を走る自動車がかなりの割 …
-
香港でビジネス展開をサポートする機関とは?
香港や海外進出を検討する時にはインターネットやコンサルティング会社、或いは銀行な …
-
香港の“収入“の構造を読み解く。
香港はその立地からも分かるように、世界の物品がここを通じて中国大陸や他地域へと運 …
- PREV
- 香港の構造変化が目指すものと言うのは一体何なのか?
- NEXT
- 旧正月こそ香港の醍醐味