今更聞けない香港ビジネス基礎事項④ ~シェルフカンパニー~
お客様が香港法人設立を相談されるとき、よく会計事務所や法律事務所、或いは設立サポートを承るコンサルティング会社から聞く言葉のひとつであると思います。
この『シェルフカンパニー』とは、文字通り、英語の”Shelf(=棚)”を意味しており、予め設立されている会社が商品として”棚の上に並んでいる”ようなイメージから来たものです。
通常、香港で新規に法人設立を行うと(諸外国などと較べても比較的早いとは言え)、書類が整った時点から数えて大よそ3週間程度の時間を要するものですが、お客様のご事情によってはその時間的な猶予すら持てないというケースもあります。
こうした時に、既に設立がなされている会社(器のみ)であるシェルフカンパニーを購入するという手段を取られると、設立そのものに掛かる時間を大幅に短縮する事が出来るというメリットがございます。
ではこのような有利点以外にも、このシェルフカンパニーとは一体どう言った特徴を備えているのでしょうか?
<シェルフカンパニーの代表的な特徴>
・登録証書、社印、株式帳などの法定書類がある
・役員が任命されていない
・業務経営の記録がないことや商業登録証が申請されていない
一見、通常の新規法人と較べてデメリットがあるのではないかと思われがちなシェルフカンパニーですが、その点は心配ご無用。これらは何れも大原則(香港の会社法)に則って設立がされている会社であり、新規で設立される会社と何ら変わるものではございません。
むしろ会社の定款などは(購入者の意向を反映させるべく)広範に対応出来るようになっていますので、購入後に独自の方向性を味付けして行く事は(思っている以上に)容易なのです。
更に、法人として設立はされていても、もともと事業活動をスタートしていない状態(⇒空っぽ)であるがゆえ、休眠している会社などによく見られる隠れた負債などもありませんので、購入者は安心して事業をスタート出来る点も大きなメリットと言えるでしょう。
是非、これを機にご検討されて見ては如何でしょうか。
■あわせて読みたい■
今更聞けない香港のビジネス基礎事項①
今更聞けない香港のビジネス基礎事項②
今更聞けない香港のビジネス基礎事項③
今更聞けない香港のビジネス基礎事項⑤
今更聞けない香港のビジネス基礎事項⑥
今更聞けない香港のビジネス基礎事項⑦
今更聞けない香港のビジネス基礎事項⑧
今更聞けない香港のビジネス基礎事項⑨
↓ブログ村参加してます。応援よろしくお願いします!↓
関連記事
-
-
【コーヒーブレイク】歴史から見て行く香港と言う地域について-2
今回も前回から引き続き“コーヒーブレイク”と言うことで香港の歴史について触れて行 …
-
-
今年の雇用関連条例の変更点とは何なのか?
香港でも労働者の待遇については都度、ハイレベルなステージ(例:立法会等)で審議さ …
-
-
オリンピックと香港
多くの障害を乗り越え、7月23日、東京オリンピックが開幕しました。一年延期となっ …
-
-
今更聞けない香港ビジネス基礎事項① ~会社秘書役とは?~
香港で法人を設立する際、日本の方々が一様に戸惑われる事のひとつに『会社秘書役(C …
-
-
様々な統治者によって支配を受けて来た香港の歴史
香港の歴史は、中国をはじめとするさまざまな支配者による変遷を経てきました。返還前 …
-
-
「香港−日本」を含めたアジア諸国での出入国規制のあれこれ〜
出入国の管理の“厳格化“と言うものは、今回の新型コロナウィルスのようなパンデミッ …
-
-
【コーヒーブレイク】 日産を襲った衝撃、カルロス・ゴーンの逮捕劇についてー2
ゴーン容疑者の拘留はとうとう10日を過ぎました。今やこの事件は日本やフランスのみ …
-
-
人口減少がトレンドとなりつつある香港の現状とその原因とは?
今年の5月7日、米国の大手電気自動車メーカーであるテスラのCEOイーロン・マスク …
-
-
果たして第二の香港となれるか?大湾区プロジェクトからの展望を見る
世界の目から見ても、香港の金融機能はアジア諸国の中でも非常に洗練され、また発展さ …
-
-
国際金融都市で起こる動乱
ひょっとしたら今回の「逃亡犯条例」の改正案が可決されてしまうことで香港が香港とし …
