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【 出国税(海外移住税)についての考察① 】

更新日:2015年06月10日

来月7月1日から、あの『出国税』(=海外移住税)が適用されることになります。

これから海外移住や海外赴任者を送るなどのご計画をされる方々や企業様にとっては、この出国税が与えるインパクトは(マイナンバー制度などと並んで)相応の対策が必要となるものになると思われますゆえ、今回から2回に渡り、この"新しい税金"となる出国税についてその定義や対象者、対象資産など詳細をご案内させて頂きたいと思います。

平成27年度の税制改正により、有価証券等を一定額以上有する日本の居住者が海外に移住することとした場合には、その有価証券等を出国時に"譲渡したもの"として、この譲渡益に所得税を申告納税することとされました。これが今年の7月1日以後から適用されることとされています。

(1)"出国"(海外移住)とは?
言うまでもなく、出国 (海外移住)とは、日本の居住者でなくなることをいいます。従って単に数日間、海外旅行のために出国しても適用対象とはなりませんし、1年未満の短期出張をした場合でも、原則として日本の居住者ではありますので、適用対象とはなりません。しかしながら、租税条約により日本の居住者とならないこととなった場合(非居住者)には、例え1年未満の出張であったとしても適用対象となることになりますので注意が必要です。

(2)適用対象者とは?
ではこの出国税と対象となる方はどのような方になるのでしょうか?以下がその条件となります。

①有価証券及び匿名組合の出資持分の価額と未決済デリバティブ等に係る見込み決済金額に係る損益の合計額が1億円以上となる方

②出国日前10年以内に日本国内に住所又は居所を有していた期間が5年超となる方

(3)対象資産とは?
適用対象となる資産は、有価証券及び匿名組合の出資持分の価額と未決済デリバティブ等ですが、この有価証券の範囲は、金融証券取引法に定める有価証券等とされており、公社債、株式や出資証券並びに新株予約権等、信託の受益権の一部、抵当証券、外国法人が発行する譲渡性預金などが該当します。


ここでの留意点は、信託です。信託につきましては、基本的にはその信託の受益者が信託財産を所有するものとして所得金額等を計算することとされていますが、一部の信託、投資信託などは、それ自体が有価証券に該当します。また、信託の受益権が有価証券に該当しない場合でも、信託財産に含まれる有価証券等は対象となりますので注意が必要です。また、民法上の組合や投資事業有限責任組合などを通じて投資している場合には、組合財産に含まれる有価証券等は、この制度の対象となります。

このように、有価証券の範囲と言うのは専門的な知識がないと分からない部分もありますので、微妙な場合には専門家に相談されることをお勧めします。

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【 出国税(海外移住税)についての考察② 】


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