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【 日本法人税引き下げ アジアでの企業誘致と国内外市場への影響 】

更新日:2015年12月03日

2015年12月3日付、国際版(アジア)日経新聞の報道によると、遂に自民、公明両党は日本に於ける法人実効税率を、従来の32.11%から2.14%下げた29.97%まで引き下げる方針を固めたとの事です。その目的は、日本を国際競争上でより魅力的な市場として世界にアピールし、国内企業の競争力の後押しや国外企業の本格的誘致を行ためです。


世界の法人実効税率上に於ける日本の水準はこの変更によってドイツに匹敵(ドイツ:29.66%)する事になり、西側諸国においてもかなりの競争力を獲得出来る形となるでしょう。例えば米国の法人税率は40%であり、フランスは33.33%、イタリアは31.4%等となるからです。


しかしながらこうした動きを起こしてたとしてもアジア周辺各国の中での比較となると殊更突出したものでは御座いません。何故なら中国では初めから25%であり、韓国は24.2%、またシンガポールは17%、そして香港に至っては16.5%と言う水準で企業誘致の為に争っているからです。

日本のこうした決定の背景は(当然の事ながら)様々な要因によって成り立っています。

アベノミクスの登場以来、日銀による異次元緩和、いわゆる量的緩和施策を継続的に行なうと言うリスキーな政策を実施し景気刺激を行なって来た訳ですが、その成果を表す消費者物価指数(CPU)は一向に上向かず、まさに数字上は"ジリ貧"の低空飛行状態で推移してきました。

そんな中でも政府は企業に設備投資や賃上げ要請をして来ましたが、32%を超える法人税率や消費増税などの負のインパクトが強過ぎたのでしょうか、景気のV字回復を達成するには至って来なかった訳です。

そして、こうした状況に"楔を打ち込む"べく今回の減税措置が出て来ましたが、果たして政府の目論通りに状況は推移して行くでしょうか?何故なら今世界中、特に主要国間の企業誘致戦争は激しさを増して来ております。英国などでは現在の税率(21%)から更に3%も下げた18%へのシフトを検討していると言われておりますし、香港でも16.5%の法人税率に特例枠を設けた措置(=一部の事業所得に対して8.25%のみの課税とする)の準備を着々と進めているからです。

何れにしましても、この法人実効税率引き下げが起こすインパクトが国内外の市場にどのような波及効果をもたらすのか?来年以降の国際経済状況には一層注目して行く価値はあるでしょう。

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