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"影の銀行"が香港の不動産市場に及ぼす影響とは?

更新日:2017年06月30日

香港では日本でも考えられない程の極小集合住宅の価格が、最高50万ドル(約5540万円)に達する場合があったりします。実際に市場のトレンドを追いかけて行くと、香港における住宅価格は2008年の金融危機以降、実に137%以上も上昇しました。

価格高騰の原因には代表的な理由が幾つかあります。


それは先ず、住宅そのものの供給不足であり、またそれに加えて低金利であること、そして更に中国本土の投資家からの香港に流れ込む巨額資金と言った具合です。アジア随一の国際金融センターと考えられている香港ではある訳ですが、その実は多くの市民にとって自分の家を持つ事(=マイホーム)と言うのは、今や"高値の花"以上のものとなりました。


そうした現実への当付けなのでしょうか(?)、2014年後半等には余りにも高騰する住宅価格対する大規模な抗議行動も起きているほどです。

そして、こうした事態に対処する為、香港政府は一連の税制や規制面での政策を実施したり、香港金融管理局(HKMA)も2009年を皮切りとして8度に及ぶ住宅ローンの引締めを行って来ましたが、結局のところ、"焼石に歯"、不動産価格抑制に悉く失敗しました。

こうした一連の措置の余波は金融業界、特に銀行融資の抑制を加速しましたが、今度はその落ち込みを埋めるべく、銀行以外のファイナンス会社(例:ノンバンク)の市場参入をもたらす流れとなりました。

それが所謂、"影の銀行"と言われる"シャドーバンキング"なのです。

不動産大手の中原地産(センタライン・プロパティ・エージェンシー)によれば、2016年に竣工した新築集合住宅向けの住宅ローンのうち8.7%はこうしたファイナンス会社によるものとの事であり、実際、今年完成予定の住戸については、この比率が15%まで伸長、さらに今年以後もその比率の上昇が見込まれています。

しかしながら、上記のトレンドがあるにも関わらず、当局側としては(依然として)こうした不動産案件への融資を行うメインストリームは"銀行である"と言う根強い見方があり、その為、今月に発表された香港政府の価格抑制策は、銀行側の負担をより重くする事に腐心した内容となっています。


但しアナリストや業界関係者にとっては、今回の価格抑制策は(融資取引が規制の及ばない)シャドーバンキングに対して今迄以上に(資金が)流れる可能性があると警鐘を鳴らしており、結果的に市場を不安定にさせる要因となるとの見方が強くなっています。

こうした背景もあるのでしょうか(?)、日本の金融庁にあたるHKMAの広報担当者によれば、シャドーバンキングの一角を担うノンバンクに対し、顧客に住宅ローンを提供する際には、同局のガイドラインを遵守するよう勧告を行ったとのこと。

これは、ガイドラインの要件を考慮することで、銀行自身が、不動産購入者に対してLTV比率(不動産の評価額に対する借入金の割合)の高い住宅ローンを提供しているファイナンス会社に対する融資の抑制に繋がると考えるからです。

他方、不動産業者によると、ノンバンクのなかには、不動産評価額の最大100%まで融資を行うところもあるとの事で、スタンダード&プアーズ等によると、銀行の場合、新規住宅ローンのLTV比率は、2016年末時点で平均50%との数値もあり、認識にかなりの乖離が見られます。

しかしながら、シャドーバンキングは、原資の大半を商業銀行から借りているのは事実であり、今後、どのような展開であれ市況が急激に修正されるような状況となった場合、必然的に銀行サイドは不動産セクターに対するエクスポージャーを引き下げざるを得なくなり、その結果ノンバンクの流動性はひどく圧迫されることになるのは必至です。

こうした事が不動産セクターに大きな混乱が生じさせるアイテムとなろうものなら、(不動産価額が)経済指標の一つとして恒常的に重要視されている香港に於いては非常に大きな打撃を被るような結果となるかも知れません。

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