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香港法人・オフショア法人設立お役立ち情報

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やはり結構負担額は嵩む?海外駐在者のコストについて

更新日:2017年09月04日

例えばですが、自社のある社員(年収を500万円に設定)を海外駐在者として設定し香港に送り出そうとした場合、会社はこの社員が日本国内に勤務している場合に比べてどのくらいのコスト増を覚悟しておく必要があるのでしょうか?

以下はシミュレーションとして算出して見ましたのでご覧下さい(尚、ここでは前提条件を日本勤務時の年収500万円で、かつ配偶者と子女1名を帯同した場合で算出をしています)。


・日本勤務時の給与(賞与は6月と12月の年2回に設定)
年収(税込):500万円(月給30万円、賞与70万円)

・香港勤務の給与(手取額)
日本勤務時+赴任手当7万円(月当たり)
賞与は6月と12月に日本同様に受け取る。

上記に加えて駐在員には会社が以下を負担
a)    住宅手当
b)    子女教育関連費用
c)     労災保険及び海外旅行傷害保険(一年x本人、家族分)
d)    一時帰国費用
e)    出張費
f)     その他各種費用

先ず駐在員のコスト(年収)以外に最初に考えなくてはならないコストと言うのは a)住宅手当です。香港進出に当たって恐らく最も負担となるのがこの住宅費用の部分です。例えば飲食系のビジネス等を行う会社ですとこの住宅手当にレストランなどのビジネスの場所代がネックとなる場合も多く、細心の注意が必要です。

今回は香港駐在員として"平均値"であると想定される30,000香港ドルを設定しました。

次は子女の為の学校代を筆頭としたb)の子女教育関連費用です。通常、日本から3~4年の任期でやって来る駐在員は国内の"延長線上"として自分の子供(達)を当地の日本人学校に入学させるケースが殆どですのでここでは月額5,000(バス代込み)香港ドルを計上します。尚、こちらは通常一年で(夏季&冬季休みがあるので)10ヶ月分納入とします。

更にお次は c)の労災保険ですが、こちらは国内で加入するパターンを採用したとします。通常、年収500万円に掛かる労災保険の海外派遣者特別加入制度に掛かる保険料は大凡年間で2万円となります。またそれだけでなく赴任先で海外旅行傷害保険を駐在員自身と家族(妻と子女)に掛ける必要がありますのでそちらには年額3人で10,000香港ドル程度は必要でしょう。

そして d)の一時帰国(ホームリーブ)や e)の出張費も設定して置かねばならず(通常、駐在員は日本本社への報告や打ち合わせなどで年に数回程帰国をするケースが殆どです)、それら全てを総計すると最低でも100万円程度は費用として備えて置かなくてはなりません。

最後の f)のその他各種費用という部分は何かと言うと、例えば赴任支度料の支給であったり駐在員の引越に掛かる費用の援助、また健康診断費用(予防接種なども含む)の支払いなど様々なコストも見越して置かなくてはならず、これらに掛かる費用も最低100万円程度は計上して置かなくてはならないことになります。


以上、これらを合計して行くと以下のような金額となって来ます。

①   駐在員給料:500万円
②   赴任手当:7万x12ヶ月=84万円
③ a)住宅手当:HKD30,000 x 12=36万ドル(日本円換算:約500万円)
③ b)子女教育関連費用:HKD3,000 x 10=HKD30,000(日本円換算:約42万円)
⑤ c)労災保険+海外旅行傷害保険=2万円(HKD1,420)+HKD10,000=HKD1,1420(=約16万円)
⑥ d) & e):一時帰国費用&出張費=約100万円
⑦ f)その他:100万円

合計額(①+②+③+④+⑤+⑥+⑦):1,342万円

以上の様に国内雇用の場合は500万円で済むところの社員が「海外駐在」となってしまうと途端にその500万円以外に約842万円の上乗せを前提として検討しなくてはならなくなってしまうのが大凡の予算感。

仕事としてはどうしても避けて通れない道ではあるとてやはり二つ返事で決められないところもあるのが海外への派遣。予算策定の部門にいらっしゃる方々の苦労はやはり想像以上に"シンドイ仕事"であるのは確かな様です。

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