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香港法人・オフショア法人設立お役立ち情報

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今一度、香港の"機能"を考える

更新日:2018年06月29日

香港の機能を整理して行くと様々な点で興味深いことがあることに気が付かれる方は多いでしょう。


言うまでもなく香港は世界でも代表的な"フリーポート"のひとつであり、この点を存分に利用するだけでもひとつのメリットを享受できる可能性があることを見逃してはなりません。

一例として上げると(貨物などを)一旦ストックさせることによって、中国で直接輸入する場合と比較した際、税額の発生を"遅らせる"と言うことなどが可能となります。


また、中国や他の諸外国との取引(例:受発注)が発生する際には英語と中国語でのやり取りが伴う側面もある為、香港がそのコミュニケーションの"ブリッジ役"になることで円滑に事を進めることが出来ます。


また香港の国際金融センターとしての側面を評価して、この地を一種の"ファイナンス機能"として利用価値を見出すケースもあります。その中のひとつの手法が『リインボイシング』です。


これは(例えば)中国にある生産工場の資金繰り負担の軽減をさせようとする際に利用されたりします。

仮に(既存の商流として)海外サプライヤーから中国生産工場に部材等を納入し、その後中国生産工場から日本のエンドユーザーに向けてデリバリーすると言う構造があるような場合(一般的によくあるパターンです)、この中で中間に位置する形となる中国生産工場では日本のエンドユーザーから代金回収するまでの間、サプライヤーに対して先に支払った金額分のCF(キャッシュフロー)がマイナスに陥ってしまう場合があったりします。


こうした時、ここに香港の会社(統括会社)を挟み込むと状況が一変する可能性が大きくなったりします。

具体的には東南アジアのサプライヤー⇒香港統括会社⇒中国生産工場⇒中国生産工場⇒香港統括会社⇒日本のエンドユーザー、と言う商流構造へと変更させることで、中国の生産工場と香港の統括会社間では支払いのサイトを自由に調整することが容易になるので中国側の資金繰りの面が『楽になって行く』という訳です。


また『資本戦略』としての香港の活用も忘れてはなりません。

これはよく言われることでもあるのですが、中国国内から日本に直接配当を送金する場合は通常その配当額に対して10%の源泉税が掛かることになってしまいますが、この中国孫会社と日本親会社との間に香港子会社を挟み込むことによって源泉税率自体が上述の半分の5%へと変化することになるのです。


更に中国で法人そのものが破産になるような場合でも香港を挟んでおくと有利です。何故なら通常、中国では破産が認められるというケースは稀であり、外資系企業が清算を行う場合は買掛金の全てを支払ったり、回収できない売掛金は諦め、雇用している従業員への補償金や税金の滞納金などの支払いを行ったりしなくてはなりません。

また、こうしたことに掛かる費用を捻出出来ないような現地法人の場合は、親会社からの清算の為の増資(あるいは親会社から借入れし、その借入額を放棄して貰う)が必要となるなど、直接的大きなリスクに晒される形となったりします。こうした状況を回避する手段として香港にSPC(特別目的会社)を設立し、中国の事業ごと"証券化"すると言う方法すらあります。


では、こうなるとどうなるのかと言うと仮に上記のように中国法人が破産と言う憂き目になった場合、その"親会社"である香港SPCが破産を申告することで日本本社へ与える負のインパクトを寸前で分断することが出来、言わば対岸の火事化することが可能なのです。更に中国事業部門は証券化されている為に、他の企業に売却するという手法すら可能です。


以上、香港の利用価値は多岐に渡る訳ですが、こうした点も今後の事業展開上視野に入れた上で経営に取り組まれると言う事も一考の価値が有ると思います。

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