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フードエキスポから見る香港の日本食トレンド【コーヒーブレイク】

更新日:2018年07月03日

香港人にとって日本と言う国は、"セカンドホーム"に近い感覚なのかも知れません。休暇ともなれば彼らを掻き立てるものの殆どがまさに日本に関係したものに染まります。

特に旅行については最近では"定番"とも言える観光地(例:東京、大阪、京都等)だけにとどまらず、それこそ北は北海道から南は沖縄まで積極的に足を伸ばし、スキーや温泉、或いはダイビング等々...様々なレジャーを楽しんでいます。


しかしながら、旅行をすると言えばその中での楽しみのひとつと言うのは何と言っても『食』となります。こうした様々な土地に行ってもその中で香港人が特に関心を払うものと言うのはやはり本場の『日本食』なのです。

芸術的な領域まで高められた匠の技を堪能したり、B級グルメを楽しんだり...と、日本を旅する香港人達にとって『食』の楽しみは外せません。こうしたインバウンドビジネス(香港 →日本)の視点においても香港からの来訪者と言うのは日本の観光産業にとってはとても重要な位置付けとなるお客様です。


では一方でアウトバウンド(日本→香港)の視点で見るとどうなるのでしょうか?

先ず最初に統計的な数字での市場環境を見てみますと香港における日本料理店と言うものの数は登録ベースで1,280店舗あるとの事です(2017年の香港統計局発表のデータ)。

これは国別料理店でカウントすると外国料理の中ではダントツの数値であり、他の国の料理店数を圧倒的に引き離しています。

たとえばその比較として韓国料理店を例として持ち出しますと(同時期のデータ上では)香港に於ける韓国料理店と言うのは日本の9分の1程度規模である150店舗しかなく、また日本に次いで2位に位置するタイ料理店でも、日本の1,280店舗に対して3分の1(340店舗)しかありません。

更にこの市場での日本料理店の立ち位置や数により一層の期待が持てるのは、香港における外食産業の市場規模の拡張ペースです。統計数字上ではこの9年間で香港外食産業の市場規模が実に1.5倍に成長して来ており、香港人が(中華料理に次いで)最優先に考える日本料理が縮小するのは考え難いものがあります。

また料理店以外にも日本の食品産業の動きも活発になって来ている点も見逃せません。

例えば2017年夏に香港で開催された『香港フード・エキスポ』に参加した日本(の食産業に関わる)会社数は実に全体の参加企業総数1,500社中、22%超に当たる340社を占めることになったと言う事や、日本の農林水産物・食品の輸出額上の数値を見ても、全体の約4分の1(1,853億円)が香港になっており、この点からも日本からみて輸出先国としては香港が世界のトップ中のトップなのです。

また、こうした日本の食に関わる産業が香港に感じるメリットと言うものは香港政府が敷く体制にも深く関係します。

例えば香港では検疫や関税が掛からないと言う事もある為、初めてこのマーケットに対峙する会社であっても自分の商品が"輸出がしやすい"と感じられる面があり、こうしたハードルの低さも輸出を"後押し"する要因のひとつと言えます。


以上、良い事づくめの(日本食品産業が進める)香港施策ではありますが、一点だけ懸念事項があるとすれば、それは「食の安全」に対するもの。2011年の震災時にも分かるように香港人の変わり身の速さは天下一品。

最終的に持ち返すのは今までの歴史が証明するとしても飲食関係のビジネスは日銭商売となる為、しっかりしたキャッシュフローの構築を行うことは同地のビジネスに留まる最大のチャレンジと言えるでしょう。

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