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香港法人・オフショア法人設立お役立ち情報

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知っているからこそ対策が打てる、海外現地法人等との『税務的』戦術1

更新日:2018年11月09日

国際的な目線での税務調査も国内の税務同様、幾つかの定型的な切り口と言うものがあります。一般的にはこうしたことは「関心の外」にあるような出来事なので、それこそ税務調査に入られる等して『渦中の当事者』となるまでは、通常『野放し』にされてしまうのが普通の状況でしょう。

では、逆の目線(課税側のスタンス)と言うのは一体どのようなものなのでしょうか?例えば上場企業などを相手にする場合、税務官達は一体どの辺りから(対象となる)企業の『穴』を探して行くものなのでしょうか?


上場企業の場合は公的に企業成績が公開されている為、攻めるスタンスを決めて行く際には容易になるものと言えます。例えば有価証券報告書ひとつ取っても様々な切り口が存在していると言うことをここで理解されて置く必要があります。その事例は以下の通りです。


1.連結の数字と単体の数字の差
例えば上記の2つ双方の全体的な売上と経常利益を比較するとそのバランスがどちらか一方に偏ることがあります。単体(=親会社)の利益率が連結のそれを上回っていたりすると、これは単体が良く稼いで連結(を構成)する他の子会社群が利益を出せていないと言う判断に繋がります。

そして仮にそれらの子会社群の内の何社かが香港やシンガポールのような軽課税地域(国)に所在していたとすると、税務署目線的には利益が外(=国外)に"逃げている"とし、調査の必要性を感じてしまう形となる訳です。結果的にはこうした場合の"容疑"と言うのはタックスヘイブン税制や移転価格税制等に抵触していると理解されます。


2.国外/国外(Out/Out)の取引について
一見、これは日本の税制と何ら関係ないような位置付けと解釈されるきらいはあるのですが、これとて当局からすると、元々は本社が今まで作って来た商標(やブランド)イメージ、或いは国内取引先である顧客のルートをリソースとしたビジネス拡張と取られてしまう向きもあります。

従って、こうした点において海外現地法人の独自性が無いような場合は推定課税の領域で納税を求められる可能性が昨今では顕著なトレンドとして表出し始めていますので注意が必要です。


では個人として注意をして置く必要がある点は一体何でしょうか?

先ず念頭に浮かぶことと言うのは海外に所有している銀行口座や金融商品のことです。既に何度も当コラムでもご紹介させて頂いているように、今や世の中はCRS(自動的口座情報交換制度)がスタートをしてしまっており、その対処に追われているのが実情です。

ただ、金融商品の中には多分に運用要素が絡んで来るものも存在している為、解約や満期と言った際に初めて明確となる数値が出ない事には税額計算出来ないと言うこともあるのでやや安心出来る部分が存在しているのは確かです。

しかしながらそうであったとしても、日本には個人が所有する海外資産の把握を行う為の制度等(例:国外財産調書)が早急に整えられて来ているのも現状である故、ここで申告漏れなどがあったりするとペナルティーの対象になってしまう可能性を多分に含んでいると言う危険を我々は頭の隅に留めて置く必要はあると言えるでしょう。

次回は再び法人に戻り、その論点をご案内させて頂きます。

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