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どうしたところがポイント?平成最後の税制改正大綱-2

更新日:2019年01月18日

毎年発表される税制改正と言うものは、過去に起こった事例などからの改善点を盛り込み、課税範囲の厳格化が主目的となるのは言うまでもありません。既に今までの段階に於いても相当複雑化した出来映えとなるのが我国の税体系となる訳ですが、それでも解釈の隙間を突く形でのイタチごっこと言うものは抑制される気配はありません。

前回は、平成31年度の税制改正大綱の国際税務に関連する部分に於いて1)過大支払利子税制におけるものと、2)移転価格税制に関する改正点をご紹介しました。


今回は国際税務で香港やシンガポールが常に矢面に立たされる感のある、タックスヘイブン税制とその他についての改正点についてご案内をさせて頂きます。

◼️タックスヘイブン税制関係
タックスヘイブン税制関係では、今回の税制改正大綱の中ではペーパーカンパニーから一定の持ち株会社、一定の不動産保有会社等、一定の資源開発等プロジェクト会社などの外国関係会社を除外することとされました。

また、タックスヘイブン税制の適用を受ける外国子会社等が現地において連結納税制度の適用を受けている場合における適用対象金額、外国税額控除の対象となる外国法人税額に関して改正が予定されています。

尚、この改正は、外国関係会社の平成31年4月1日以後に開始する事業年度から適用が予定されています。

◼️その他の改正
2020年の東京オリンピック、パラリンピックの開催に当たって非居住者が大会関連業務を行う非居住者の一定の給与等、大会関連業務を行う外国法人が受ける一定の使用料等に関しては非課税扱いにすることとされました。

また、台湾との間での金融口座情報の自動的な提供のための報告制度の整備が予定されています。

その他、利子等に係る源泉徴収の特例制度に関する改正が盛り込まれて行く予定の様です。


初見:
従来、日本の法人税法等では資産や負債の時価に関してDCF法を採用することは、第三者間における取引と言う点で納税者側が採用すると言うことを是認して来ていましたが、課税処分をともなう際にこのDCF法による時価を計算の基礎とすることはありませんでした。

これは、このDCF法と言うものが、あくまで将来の収益見通し、利率、料来のリスク(危険利子率)を前提として時価に割り戻す形で算定を行うと言う性質のものであり、個々の法人の事情や国や社会の経済情勢によってはこれらの諸要素に大きな変動が生じる可能性を内包しているが為、訴訟などの観点からすると争点が増加することは否定出来ず、それによって事態の収拾が困難になる可能性を含んでいる為です。

今回、移転価格税制と言う論点に於いて独立企業間価格の算定でこのDCF法が採用されることに関しては、寄附金課税の問題とも合わせて、将来に於いてかなりの件数及び重度と言う観点からの問題を含むことになるのは避けられそうもありません。

また、仮に国税がDCF法による算定結果を見ることで、結果として過去に遡り課税処分を行うとすることに関しても、今後経済界などから問題提起される可能性があるのは否めないのではないかと思われます。

今回の税制改正案は、少なくとも識者の間に於いても"やり過ぎ"感があるのは事実であり、場合によっては近い将来の段階で緩和措置と言う形もあり得るかも知れません。

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