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中国での商業賄賂を巡る、"2つの責任"と言う観点について

更新日:2019年05月23日

中国でビジネスを行う際に最も注意しなくてはならない項目と言うのは一体何でしょうか?商習慣の違いやそこで働く従業員の価値観等々、外国及び外国人特有の"異質さ"と言うのは日本企業に取ってとても大きなハードルのひとつであるのは昔も今も変わりはありません。

本稿で触れさせて頂くテーマと言うのは中国でのビジネス上、非常に大きなファクターである「賄賂」と言う側面についてです。世界第2位のGDPを弾き出す国となった今でも依然としてこの国は"人治国家"と揶揄されているのは事実であり、習近平を持ってしても未だその比率は他国等のそれと比較すると格段に"高い"と言わざるを得ません。


そもそも「商業賄賂」の定義とは一体何でしょうか?

これは、「事業者が商品を販売又は購入するために財物又はその他の手段をもって相手方単位又は個人に対して贈賄を行う行為を指す」と中国では定義されていますが、更にその行為についても以下に述べる4つの類型を定めています。

(1) 帳簿外で密かにリベートを授受すること
(2) 帳簿街で仲介者に対して手数料(コミッション)を支払うこと
(3) 商業取引における慣例を超える元気nまたは物品を贈与すること
(4) その他の手段により相手方に賄賂を送ること

ではこうした行為に及んだ際、それに纏わる各種の責任、所謂「行政責任」と「刑事責任」と言うフィルターで眺めて見た場合、どのような罰則が備えられているのでしょうか?


▪️行政責任
商業賄賂を行った場合の行政責任と言うのは「不正競争防止法」22条、及び「商業賄賂行為の禁止についての暫定規定」9条の両方に抵触する形となっており、1万元以上、20万元以下(邦貨:約15万円〜300万円)の罰金、更に違法所得が没収されると言う顛末を迎える可能性があります。

また、不正競争防止法20条によると、事業者が同法に違反して他の事業者に損害を与えた場合、損害賠償責任を負うことになっています。仮に被害額を計算するのが困難である場合の損害賠償金額は(権利を)侵害することで得た利益額と言うことになります。


▪️刑事責任
商業賄賂の金額が一定の基準を超えた場合、行為者である従業員とともに会社の法定代表者等の直接責任者及び会社自身にも刑事責任が生じてしまう可能性があります。

この際の金額に関する一定の基準と言うのは、贈収賄の当事者によって異なって来ると言う点はありますが、その下限について見てみると、今から3年ほど前に公布された「横領・賄賂刑事事件を取り扱う際の法律適用に係る若干の問題に関する最高人民法院及び最高人民検察院の解釈」によれば、同一対象者に対して行った賄賂の金額の累計が1万元を超える場合、刑事責任に問われることになっています。

上記の金額は中国国内で仕事に従事する一般の中国人にとっても驚きのようで(余りにも低い金額で刑事責任を問われてしまう、と言う意味に於いて)、商業賄賂に関する規制との"温度差"を垣間見る部分であると言えるでしょう。

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