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大袈裟に報道されている?香港の現状

更新日:2019年08月26日

もともとは台湾で発生した事件を発端として、その主犯が香港人絡みであったことが引き金となった「逃亡犯条例」の改定に関連する今回のデモ。徐々にこの運動はデモ行進の域から逸脱し、中国などの言葉を借りると、その行為自体が最早「テロ」と言われるような"尋常ではない"状況のように捉えられている向きも登場して来ています。

香港と言う地域は1997年7月に英国から中国へと返還されて以降、中華人民共和国を宗主国とした「一国二制度」の一翼を担う地域として認識され、また運営されて来た訳ですが、2014年、同地区のトップである行政長官の選挙方法を巡った親・中国との軋轢が噴出した「雨傘運動」、そして今回の「逃亡犯条例改正」を巡るイザコザにより、国際金融上、必須項目のひとつと考えられている「安定」と言う面での信用毀損が実しやかに囁かれるようになりつつあります。

しかしながら、このデモの行く末次第であると言う条件も付きますが、現状までの香港マーケットの動きや当地で活躍するビジネスマン等の話から聞こえて来る状況と言うのは必ずしも上記のような「混乱」と言う状況のイメージではなく、その殆どが"通常通り"に近いような状態であると言う点も見逃せません。

当局が発表した4―6月期の実質GDPに関しては前年度同時期と比較して(微増であるとは言え)0.6%上昇したとの数値を記録しました。勿論、デモが本格的になった7月からの四半期の結果については10月まで待たなくてはなりませんが、IPO市場の推移についても今期は非常に良好であるとのことで、政府主導による規制緩和策の導入も相まってか超大型案件であるアリババの香港上場が実現すれば、今年も昨年に引き続き世界第1位を堅持出来ると言った模様です。

当然、香港経済の中核を成
す金融市場についても現時点まで運営に支障を来すような状況に陥る類のトラブルの発生も報告されていません。

また経済環境から生活環境に目を移しても、市民の生活が根本的に脅かされると言うような深刻さは全くなく、デモに関連する動きは特定の場所と時間に注意して置きさえすれば(=基本的にデモの発生日時や場所は事前に発表されているのが常です)、通常通りの生活を送ることが充分に可能なのです。

以上の観点から捉えると、「空港閉鎖」や「デモ衝突」と言う事実関係は重要な現実と捉える必要はありますが、マスコミが流す情報の全てを盲信すると言うのも非常に危険なことであると言わざるを得ません。我々情報受信者側としては、兎角、"大袈裟"報道に傾倒しがちになるメディアの情報を常に精査するスタンスを持って置く必要はあるでしょう。

しかしながら、上記のような「通常」が一体どのくらいの期間まで維持することが可能であるのか?と言うクエスチョンについては、現状・今後のデモの展開とそれを押さえ込みたい側(例:中国等)の出方によって多分に流動的であると言う点は否めません。

今、香
港政府が市民から求められている事と言うのは「逃亡犯条例」の完全廃案となる訳ですが、この条例廃案についての正式な態度表明については、バックについている宗主国(中国)のスタンスに掛かっているが為、早晩で決着が付くと予想するのは楽観的過ぎるものです。結果、そうした面から発生する香港市民の心情はジレンマが募り続けてしまうのは否めず一層のデモ激化と言う展開も見え隠れしています。

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