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「統括拠点」と言う視点から見た、香港とシンガポール

更新日:2019年10月24日

アジア地域の"統括拠点"と言う視点で考えた場合、香港とシンガポールは往々にして良く比較・検討をされるマーケットであると言えるでしょう。両者を分けているものは一体何かと言う論点は多岐に渡ると言えますが「コントロール機能」を重点として見較べて行くと、予想より多く、"似て非なる"特色があることに驚かれる方々がいるかも知れません。


先ず、香港の「魅力」というものは、金融部分、例えば証券やオフショア人民元市場だけに決してとどまっているのではなく、昨今では再びこの地域を「統括拠点」とする動きに世界の関心が集まる動きが御座いました。もともと香港は、中国の"ゲートウェイ"と称されたり(中国がWTOに加盟した後においても)世界中の顧客のニーズを様々なスキームの提案・構築や(世界でも)有数の"フェア・マーケット"である側面を利用することでその地位を確立して来たテリトリーです。


今回、足許の時点まで香港に対して「統括拠点先」として再び脚光が当たり始めていたと言う理由は、実は中国市場自体の投資環境の変化(産業構造の変化)がその水面下にあり、結果それまで分散していた製造・販売拠点の再編に企業が追い込まれて来ていたと言う要素が存在します。

つまり企業側からすると、これらをもう一度整理して中国国内に滞留する資金を集約させたり、また他の地域や国(ASEAN等)へのシフトを起こす際の有効資金滞留先の拠点として利用する等々...有事の際の対応策を実現する場所としてうってつけな所が香港と言う"自由ポート"であったのです。


実際のところ、「規制緩和」と言う視点においてはこの10年で相当の内部改革が進んだ中国ではありますが、しかしながら香港のような国境を超えた資本移動についても全く制限が無いようなところと比較をした場合はどうしても"見劣り感が残ってしまうのは否めません。つまり「50年不変」と言われていた一国二制度が揺らいでしまっている直近の状況ではありますが、それでも香港は、"まだまだ捨てた場所では無い"と言う判断が依然として多く存在しているのは事実です。

一方、"アジアの統括"と言う視点で上記の香港と双璧を成すのがシンガポールとなります

2015年末のASEAN経済共同体=AEC発足でASEAN自体が一段経済圏に成長したとは言っても、実態というのは国ごとに違う法制度や投資環境の違い、また市場性なども大きく異なることで利害不一致がどうしても発生しがちになってしまうのは否めません。所謂、この状況というのは"先頭が多い"と言うことなのですが、そうなると"多様性"を吸収するような存在=つまり、「統括拠点」と言うものの存在がどうしても必要となって来る訳です。その面からも、充足具合でダントツであるシンガポールと言う国に"白羽の矢が立った"のは間違いではなかった筈です。事実、シンガポールの法規制や経済力、また国際性と言う多くの主要ポイントに対する評価は最上級のレベルであり、それを否定する人間は"希少である"と言えます。

 

このように香港とシンガポールは多くの面で彼らを囲む国々に対する恩恵を提供して来ている訳ですが、では両者間には一体どのような違いが存在するのでしょうか?

 

こと「統括会社」と言う視点でこの両者を見た場合、香港が"より実務的な"ビジネス上の理由で統括拠点が"自然発生的"&"必然的"に設立されている経緯があったことに対してシンガポールのそれは日本(本社)の主導型であるケースが多いと言う点が最初に挙げられることでしょう。例えば日本のメガバンクの一行の調査レポート等によると、シンガポールの統括会社は維持コストを親会社自身が"業務委託費"等と称して肩替わりするケースに偏りがちであり、香港の統括会社はそうしたコストを実業で捻出をしているとのことで、こう言うところにも明確な違いがあることを見出せます。また「統括範囲」についても香港が中国を中心としつつも他のアジア地域までコントロールするパターンが主流であるのに対して、シンガポールはASEANやインドのみの統括にとどまるものが多いとのことです(現実的にシンガポールから中国等をコントロールするのはかなりコストが掛かる可能性が高いと言えます)。

 

以上、まだまだ他にも比較項目は沢山存在していますが、それぞれの基本的な特徴と取組みを検証することだけでも充分にその雰囲気や違いがあることが伝わって来ていたのではないでしょうか?今後も両者の変化を見極める為にも、注目して行く価値は有りそうです。

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