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香港とマカオ、中国の下で生息する特別行政区の相違点

更新日:2020年01月10日

香港とマカオは中国・華南地区で隣接している地域であり、この2つは現在、フェリーに代表される海のルートと陸路(と言うか橋)で繋がるルート(香港マカオ珠海大橋)で繋がっています。お互いが今では中国国内の"特殊地域"である一国二制度を採用している地域であり、(中国)大陸側とも特に産業面や金融面で密接に絡み合っている場所です。

両地域は距離的に見ると僅か65Km強であり、"隣接"と言うくらいの位置関係でもある為海路では約1時間、陸路だとその約半分程度の所要時間で到達出来てしまうようなものですが、この2つを数字面から比較して行くと、思いの外違いがあることが見て取れます。


先ず、面積で比較すると香港が1,104㎢であるのに対してマカオは28.2㎢しかありません。単純な面積比較だけで言うと実に40倍近くの差がこの2つには存在することになるのですが、逆に人口比率と言う面で比較を行うと香港が約730万人であるのに対してマカオが約70万人となっています。

40分の1の面積に対して10分の1の人口差と言う比率から現れて来る特徴と言うのはマカオが如何に高い人口密度の上に成り立っているかと言うことです。


次に市民のGDP比較をして見た場合は両者の実績と言うものはどの様なものになっているでしょうか?


香港は、言わずと知れた「国際金融センター」のひとつであり、また中国発展の礎(いしずえ)を構築した地域であることは周知の事実でもありますのでその生産性を軸とする見方においてはマカオを圧倒するのでは無いかと言うイメージが先立ちますが、実はこの比較では意外な面が表出することになります。


具体的に見て行くと、数値上では香港のGDP(名目)が43,527USDであるのに対してマカオは実に香港の1.5倍以上に相当する69,559USD(名目)を叩き出すと言う水準であり、これは驚異的な数値として認識されて然るべきものと言えるでしょう。

当然、その理由と言うのは複数になるのは明らかではありますが、中でもマカオの主要産業がエンターテイメント、つまり「カジノ業」が合法であると言うこと面は見逃せない特色と言えます。

ここに投入されることで挙がって来る金額と言うものがやはり"桁外れ"であることが上記のGDP率から推察出来ようものです(事実としてマカオの取扱うカジノでの金額ボリュームは本家である米国ラスベガスのそれすら凌ぐものです)。


公用語と言う点でも両者は共通項がある反面、明確な違いが存在します。最初に共通面から申し上げるとそれは両地域共、広東語を主要言語としていることですが、非共通面では香港が英語と普通語(中国語)を公用語としていることに対してマカオはポルトガル語になっていることです。

その為マカオを観光すると道の表記等では広東語表記とポルトガル語表記のみに限定されていたりしますので異国情緒に浸る香港人観光客も少なくはありません。

勿論、歴史的にはこの両者を植民地にしていた宗主国と言うのが英国(→香港)とポルトガル(→マカオ)であったことがこの違いに影響を与えた事実であることは周知のことですが、この至近距離でハッキリと分かれていると言うことは興味深い点のひとつであるとも解釈出来ます。


また中国への一国二制度への移行についても両者は全く違ったタイミングであったこともお互いの独自性を物語るものです。香港は英国領から中国へ返還された日が1997年7月であったことに対してマカオはそれから遅れること2年半後の1999年12月に中国へと返還される経緯を辿りました。

昨年勃発した人権問題に関するリアクションと言うのも香港人とマカオ人は全く異なるものであることを考えても独立性が両者の間に存在しているのは明らかです(事実として香港が何度もデモ活動で中国を刺激し続けていることに対してマカオではその類いの目立った動きはありません)。


最後は使用されている通貨に触れます。香港もマカオも自地域の通貨を使用していることが共通的な立ち位置ではあります(香港→香港ドル、マカオ→マカオ・パタカ)が、香港ドルがマカオで普通に使用出来る面があることに対してマカオ・パタカは香港では使用出来ないことが挙げられます。

これは経済規模と言う面から来る違いが大勢に影響を与えているのは明白で、この面で捉えるとマカオは香港に太刀打ち出来得るポジションに無いのは致し方ないと言えるでしょう。

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