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「個人情報の保護」に関する香港の法規制 〜ダイレクトマーケティングの場合〜

更新日:2020年01月28日

様々な産業の中で個人情報の利用を「命綱」的なものとして捉えているのがダイレクトマーケティングに関わる分野であり、香港でもこの分野は改正に対して最も影響を受けた領域という形で捉えられることになりました。

この改正後に発足した新規定の"肝"の部分と言うのは、ダイレクトマーケティングサービスに個人情報が使われる前の段階に於いて、個人情報所有者から完全な同意を得ることを義務付けられていると言う点のことです(換言すると、その同意無しでこれを推し進めることになると処罰を受ける対象となると言うことです)。

つまり、ダイレクトマーケティングを行う上で重要なことと言うのは、一にも二にもこうした「同意」なのであり、この点がこのビジネスを行う上での最も重要なコンセプトとなって来るのは言うまでもありません。


具体的には個人情報所有者は、ダイレクトマーケティングにおける利用や、利用を目的として個人情報を第三者に通知してしまう規定に対して何ら反対することがないと言うことを明確にしておかなくてはならず、この明示がない状態のまま放って置くと、情報を取られる側からの同意があったと言う証明とは解釈されることはありません。

従って(こうした点をクリアする為に)個人情報の収集に関する宣誓などに同意を示すチェック欄を設けることをしておくことが、ひとつの有効なプロテクション方法となって定着して来たのです。


ではその改正規定について見て行くとどのようなものとなっているでしょうか?


例えばその活動を実施する過程に於ける個人情報の取扱いに於いて個人情報所有者がみずから個人情報についての自己決定権が尊重されてなくてはならず、個人情報をダイレクトマーケティングで利用させるか否かを決定する為の情報を与えられた上での選択権が付与される形に手配しておかなくてはなりません。

よって、個人情報所有者から個人情報の利用中止の要求がなされた場合には、タイミングを逸することなく、即時にその要請に従わなくてはならないこと等が規定されています。また、個人情報を収集した組織によってダイレクトマーケティングに個人情報を利用する場合と、収集した組織から第三者がそれを利用する場合とが明確に区別されている点も留意事項であると言えます。

特に後者について補足すると、企業などにとっては(市場開拓などのマーケティングの観点から)しばしば魅力的なものと目に映る領域の話でもあり、その為、取締る側とすればそうした点により厳格な要件を設定し、透明性の確保の為に躍起になる訳です。


実際、こうした点に対する香港の扱いと言うのは刑罰規定によって厳格に定められております。先ず総体的な印象としては刑罰そのものが(以前と比べると)非常に重くなったことが挙げられます。

例えばコミッショナー訴えを受領した時や情報使用者による行為が個人情報に関するものであって条例の用件に違反する可能性がある場合(或いはそう信じるに足ると思われる合理的な理由がある場合)、情報使用者に関してその行為が違反に当たるかどうかの確認調査を実施する権限がコミッショナーには与えられており、違反すると判断した場合いおいては執行通知を発行→5万香港ドルまでの罰金、或いは短期の自由刑に処す可能性があるとのことです。


以上、ダイレクトマーケティングによる違反行為が深刻な影響を及ぼすことについての法改正の概要をご案内しましたが、この手法で情報収集するプロセスでの規定違反に関する最大値は甚大なものになることを最後に記述して置きます。何故ならその最高額と言うのは香港ドルで100万ドル及び3年以下の自由刑となるからです。


これほど厳しい情報の取扱いと違反行為に関するペナルティー...、香港があくまで自由主義地域であり、また「自由の責任」を端的に表す一面がこれほどの深さであると言うことが伝わって来るものでした。これは中国との間に起こっているデモの"精神"にも通じるものであると言えるでしょう。

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